2014年5月29日木曜日

フランス語と英語の定冠詞 Definite Articles in French and English

デュオリンゴ(Duolingo)を始めて、今日で31日目。当初はちょっとした置き換えパズルみたいな感覚だった仏英翻訳ですが、今ではこの二つの言語の違いをしみじみと感じるようになりました。

特に気になるのが定冠詞(definite articles)で、英語の"the"に対応する言葉がフランス語では実に4種類("le"、"la"、"l'"、"les")もあって、その使い分けに苦心する一方、どうやら定冠詞を使う場合というのは、英語よりフランス語の方が多い、ということが分かって来ました。つまり、仏英翻訳においては、定冠詞"le"と"la"と"l'"と"les"のいずれかを見かけたらとにかく"the"に置き換える、という方法ではだめで、仏文で定冠詞があっても、英文では使わない場合がかなりあります。

とまあ、デュオリンゴ式にとにかく実践でその違いを肌で感じていたところ、ある例文についての議論でも同じようなことが話題にのぼっていて、そこで引用されていたのが、About.comの次の文章。フランス語で定冠詞を使う場合が、英語と比較しつつ、表で分かりやすく解説されています。読んでみて頭がかなりすっきりしました。
French Definite Articles - About.com
ざっくり言うと、英語とフランス語、両者に共通して定冠詞を使うのは、特定の名詞(specific noun)、すなわち何を指しているかが相手にすぐわかる特定のものを指す場合。例えば、「私は銀行に行きます。」は、フランス語で

Je vais à la banque.

英語では、

I'm going to the bank.

となります。この場合の銀行(仏 banque、英 bank)は話者と聞き手、双方が知ってる銀行。

それに対して、フランス語では定冠詞をつけるのに、英語だとつけない場合というのは、名詞が一般的な意味で用いられる(used in a generic sense)場合。例えば、「私はアイスクリームとチョコレートとケーキが好きです。」は、フランス語で

J'aime la glace, le chocolat, et le gâteau.

英語では、

I like ice cream, chocolate, and cake.

となります。どんだけ甘いものが好きなの!?とつっこみたくなる例文ですが、それはさておき、もちろんここでの、アイスクリーム(仏 glace, 英 ice cream)、チョコレート(仏 chocolat, 英 chocolate)、ケーキ(仏 gâteau, 英 cake)はそれぞれ一般的なものを指します。なんだか英語の方が、定冠詞がある場合とない場合の区別がすっきりしてわかりやすい気が。

他にも、集団あるいは集合をあらわす名詞(groups of people or things)については、フランス語と英語で定冠詞の用法がことなります。例をあげると、「わたしは猫と犬が好きです。」は、まずフランス語で、

J'aime les chats et les chiens.

英語では、

I like cats and dogs.

となるそうです。ここでの猫(仏 chat, 英 cat)と犬(仏 chien, 英 dog)は見知らぬ猫や犬も含む猫全体、犬全体を指すと思われます。

とすると、フランス語では、特定の猫の集団と、一般的な猫の集団は同じく、"les chats"なの?という疑問も湧きますが、そもそも日本語では冠詞がなくてもなんとかなってるんだし、きっとそんなに困らないんでしょう。(って言ってると、文法的に正しいフランス語から遠ざかるのかもしれませんが…)

ところで、デュオリンゴの実践翻訳の課題文はWikipediaの文章が多いのですが、どうやらこのことも、フランス語の定冠詞をやたら眼にすることと関係なくもなさそう。というのは、フランス語では、日付などの時間国などの場所、で定冠詞がやたらと使われるから。

About.comの解説で、なんだか英語とフランス語の定冠詞はばっちり!な気分にいったんはなったのですが、手元にある英文法の本、「英文法解説」に例外的用法がたくさん載っていて、再びわたしの頭の中は混沌としてきました。

まあ、言語は生き物だから、文法でそう簡単に説明できないよね…。でも文法を意識しつつ、その言語を使ってたら、何か見えてくること、あるのかも?


英文法解説

2014年5月27日火曜日

デュオリンゴで仏語英訳体験! experiencing translation from French into English with Duolingo!

語学学習サイト、デュオリンゴ(Duolingo)を始めて今日で29日目。がんばって続けてる、というより「はまってしまった」という感じです。

β版の日英コースのほうはひとまず置いておくことにして、現在はもっぱら英語話者のためのフランス語コースを攻略中。昨日、レベル10になったのですが、日英コースのレベル10とはかなり充実度が違います。やっぱりこの、とにかく翻訳課題(Real world practice)を大量にこなすという体験は言語的にも豊かで学習意欲も高まる気が。

しかも。デュオリンゴは単なる語学学習サイトではなくて、レッスンのための翻訳が、実は翻訳ボランティアにもなる、という仕組み。でもそんな、例えば私みたいに、ほんとは英語話者じゃない人が、たかだか500語とかのボキャブラリーしかないのに、文法書や辞書片手にえっちらおっちら訳した英文で役に立つの?という心配は無用。

実際に訳してみればわかることですが、ある人の翻訳文が単にそのまま最終稿になるわけでなくて、まず何人ものチェックが入る事になってます。良い悪いの判断はもちろん、別の翻訳例を提案したり、複数の翻訳例の中からベストだと思うものを選んだり、と、多くの人の手というか、チェックを通過したのちに、コミュニティとして翻訳確定とした文章が出来上がります。

で、ここがデュオリンゴのすごいところなのですが、同じ一つの文章をチェックする人の数がものすごく多い。「訳してはみたけど自信ないなあ」という文章には、たいてい次の日に修正案が届きます。しかもその修正してくれた人のフランス語レベル(&翻訳レベル)がものすごく高かったりするのでリスペクトしつつ「ありがとうございまーす!」と心の中で叫び、さらに学習意欲が高まるという好循環。

これがクラウドソーシング(crowdsourcing)ってやつなのか、というのはとにかくこの、フランス語の一文を通過する人の多さと速さとクオリティで実感するのでした。現在、わたしと同じく「英語から学ぶフランス語」をやってる人は実に906万人。パソコンやiphoneの前で淡々と課題をこなしてるわけですが、なんかこう、みんなで大きな(言語の?)壁をコツコツ壊してるような気が。作業してる時は一人なんだけど、次の日行ってみたら、散らかしたはずの石が片付けられてて、壁の高さもそういえば低くなってて、あ、ひとりじゃないんだ、みんなの作業だ、って実感するという、そんな感じでしょうか。

ところで、このコースをやってみて、私のフランス語、英語がどうなったかというと、まずフランス語にはすこし慣れてきた気がします。意味がわからなくても、文の構造が見えることがあって、臆する気持ちが減って来たといいますか。リスニングのほうはやっぱりまだまだ手強く、音がつながりまくるフランス語を分解するのがムズカシイ。でもフランス語は英語より文字と音の対応が規則的なので、音で綴りがわかることもしばしば。

一方の英語は、まだ感覚的に文法の正しさや文の美しさを感じるには到らず、でもそれを、他の人の訳例から頭で理解しようとしてるところ。そして改めて、wikipediaの英語の文章をしげしげと眺め、そのフォーマットと文例を読んでは訳出の参考にするようになりました。

そして当然ながら、仏英翻訳をやるには、仏英の辞書があると便利、なのですが手持ちのものがないので、MacOSについてる仏仏辞典に英英辞典をチェック、それを手持ちの英和、和英、仏和、和仏辞典と比べてえっちらおっちら訳してます。一応、オンライン辞書の、WordReference.Comには英仏、仏英辞典があって、簡単な調べものには便利ですが、これだけだと不十分。やっぱり一冊でいいから、仏英辞書、欲しいなあ、っていうか、ほんとはデュオリンゴに「日本語話者のためのフランス語」コース、あるといいんだけど…。

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デュオリンゴの日英コースを制覇? conquered the English for Japanese speaker course?

2014年5月21日水曜日

デュオリンゴの日英コースを制覇? conquered the English for Japanese speaker course?

語学学習サイト、デュオリンゴ(Duolingo)の日英コース、なんとなく続けてるうちに、とうとうスキルツリーの最後までたどり着いてしまいました。これがゲームなら最終ステージをクリア!ってことになるようで、一応トロフィーのようなものが登場。笑

この日英コースがβ版ということはさておき、ここまでで何が学べたかというと、英語の基本文法と基礎的語彙を使って翻訳と英作文をしまくる反射神経のようなものを鍛えたことになるのかもしれません。



ちなみに、このトロフィーのマークをクリックすると、次のようなメッセージが出て来ます。


言葉の強さを満タンに」というのは全くそのとおりで、語学は使わないとどんどん忘れるし、反射神経もにぶりますが、デュオリンゴではトロフィーが出たあとでも時間がたつとどんどん「言葉の強さ」が減っていきます。

そしてこの「言葉の強さ」というのは、スキルツリーの課題とは別に、デュオリンゴ内での翻訳作業でも強まるようになっているようですが、残念ながら現在β版の日英コースでは翻訳課題がまだひとつしかなく、強めようがありません。これは待つしかないですね。

英仏コースだと、スキルツリーのかなり早い時期から次々と翻訳課題が降ってきます。課題文は今のところフランス語版ウィキペディアが中心で、それを英語に訳します。

といっても、文法はまだ現在形しかやってないし、語彙も500語くらいだし、よちよち歩きもいいところなのですが、それでも「あなたはこの記事の25%を訳せます!」という感じで課題文が紹介されるので、1文でも2文でも、辞書をひきながら翻訳、あるいは、他の人が既に訳した文章をチェックすることになります。

で、少しでも翻訳をすると、その同じ翻訳文を見た別の人が、それを評価したり、翻訳し直したりします。評価票が100以上となり、好評価票の割合が少なくとも90%になると、翻訳の段(tier)がひとつ上がることになるそう。また、他の人に翻訳文を直してもらうと、すぐに通知が来て、どこを直してもらったのかがよおくわかります。これは英作文の勉強にもなってなかなか面白いです。


思うに、デュオリンゴのスキルツリーはグロービッシュ(globish)にも似て、その言語の基本を学ぶのになかなかいいシステムだと思います。日英コースで学んだ単語数は現在1397語ですから、グロービッシュの1500語と近いところにあります。

基本を学んだ後はもっと話して聞いて書いて、読んで、どんどん慣れながらその言語の語彙を増やしていけばよいわけですが、デュオリンゴの場合はこの応用編を「翻訳」で体験するシステム。まだ日英コースではこの部分は整っていませんが、英仏コースの体験からすると、今後のデュオリンゴにはかなり期待できそうです。

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デュオリンゴに夢中。 I'm absorbed in Duolingo.

2014年5月15日木曜日

デュオリンゴに夢中。 I'm absorbed in Duolingo.



ここしばらくDuolingoという無料言語学習サイトにはまってます。言語学習は記憶に反復、地道にコツコツ筋トレするようなところがありますが、そこにゲーム性をうまく取り入れ、楽しく続けられるようにデザインされているシステム。よくできてるなあと、最初は使いながら惚れ惚れしてました。

そしてなんとなく続けて今日で17日目。もともとはフランス語学習がメインだったのですが、日本語で学ぶフランス語というコースはなかったので、英語で学ぶフランス語のコースを選択しました。

ちなみに英語話者のためには、たくさんのコースが用意されています。スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、に加え、ドイツ語、アイルランド語、ロシア語、トルコ語、ポーランド語、ハンガリー語、ルーマニア語が構築途中。英語さえある程度できれば、この先かなりの言葉をこのシステムで学べる!と夢がひろがります。




今のところ、日本語話者のためにはβ版の英語(アメリカ英語)コースがあるのみです。一応、こっちもやってみようと始めてみたところ、思いがけず、中の方々のがんばりを体感することとなりました。



デュオリンゴでは基本、二つの言語間の翻訳トレーニングをこれでもか、と繰り返します。日英間なら、英文和訳、和文英訳が基本。つまり、正解はひとつではないことがほとんどです。

たとえば上の例のように、"I am a woman."を日本語に訳すという単純な課題でも、「私は女です。」「わたしは女です。」「私は女性です。」「私は女。」「女です。」などなど、漢字仮名問題に、文体、主語の省略など、様々な翻訳例が考えられますが、現在β版である、日本語で学ぶアメリカ英語にはこうした自由度というか、正解とする翻訳例の数がまだまだ足りません。

というわけで現在のところこの日英コースでは、自分の答えが正しいはずなのに不正解になった!という場合は、画面左下にある「問題を報告する」をクリックして、「私の答えも正しいはずです。」をチェックしてください、となってます。


で、ある時から「いやこの答えは正解にしないとだめだと思う。」という場合に限り、この方法で問題を報告したところ、毎日のように中の方々のレスポンスが届くようになりました。毎日かなりの数届くのでこちらもやる気になって、たくさん翻訳例を報告するぞ♪とますますこの日英コースにはまることに。

で、時々英仏コースに戻ると、レベルのせいか、言語の特性なのか、わりと答えがすっきり決まる気持ちよさがあるのですが、もうちょっと説明が欲しいな、というときに、ひとつひとつの問題の下の「文章について話し合う」のところをみてみると、時には100を超える投稿というか議論がつくされた跡があって少しでも読んでみると勉強になるのでした。それにしても中の人、どれだけがんばってるんだろう、と、思いつつ。

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