2013年6月15日土曜日

虫の語源 the origin of "虫"

a frog loves the morning glories外国語について調べていると、逆に分かっているようで分かってなかった母国語の特徴に気づくこと多々。「虫」についても、英語の"worm"に昆虫以外の種であるミミズがはいるのが意外で、日本語の「虫」も昆虫以外を含んでるのかな?とまたもやweblioで調べてみると
(1)人・獣・鳥・魚・貝以外の小動物。多く、昆虫をいう。(三省堂 大辞林)
とあります。というわけで、意味的カテゴリーの大きさを比較すると「虫」>「昆虫」。だいたい、「昆虫」が「昆」+「虫」なのが、「虫」カテゴリの大きさを語っているような。それに音的にいうと、「虫」と"worm"って近い気が。どっちも柔らかそうな、ぬるっとした語感。

脚がなくて、ぬるっとして、そしてにょろっとといえば、ヘビ、ん、「蛇」は虫偏!?カエル、「蛙」も虫偏だし、あ、「爬虫類」って言葉にも虫がはいってます。貝だって、ハマグリは、「蛤」。「虫」って漢字の意味範囲は相当広い?

と、気になったので、今度は漢字、「虫」の語源を調べてみました。

wikipediaによれば、
虫という漢字の由来は、ヘビをかたどった象形文字で、本来はヘビ、特にマムシに代表される毒を持ったヘビを指した。
そうそう、マムシなんて、音に「ムシ」がはいっている上に、漢字で書いても「蝮」。語源がヘビだときいて納得。昔の人が毒を持つこの生き物について文字をつくって記そうとしたのもわかる気がします。

これだけだと、「虫」の意味範囲の大きさは実感できませんが、続いて「虫」に似た漢字、「蟲」との関係について説明がありました。
蟲という漢字は、元は「生物全般」を示す文字であり、こちらが本来「チュウ」と読む文字である。古文書においては「羽蟲」(鳥)・「毛蟲」(獣)・「鱗蟲」(魚および爬虫類)・「介蟲」(カメ、甲殻類および貝類)・「裸蟲」(ヒト)などという表現が見られる。しかし、かなり早い時期から画数の多い「蟲」の略字として「虫」が使われるようになり、本来別字源の「虫」と混用される過程で「蟲」本来の生物全般を指す意味合いは失われていき、発音ももっぱら「チュウ」とされるようになり、意味合いも本来の「虫」と混化してヘビ類ないしそれよりも小さい小動物に対して用いる文字へと変化していった。
もともと意味範囲が大きかったのは、「蟲」であって「虫」ではなかったけど、混用される中で意味も混用された。で、ヘビ類ないしそれよりも小さい小動物を指すようになった、と。虫偏はこの変化した「蟲」の意味とほぼ重なるのかな?と、今度は、虫偏の語源を調べると、NHKアナウンスルーム、トクする日本語のサイトに、このトピックについてわかりやすい文章がありました。
なぜ"虫"がつく?
「蝦(えび)蛤(はまぐり)蛙(かえる)にはなぜ、虫偏が使われているの?」というお便りが届きました。たしかに「虫」というと昆虫類のことをイメージしますよね。実は、古代中国では「虫」の意味する範囲が今とは違っていたのです。外見から、「鳥」「獣」「魚」に大きく分け、このどれにも当てはまらない小動物の総称を「虫」と呼んでいました。そこで、蝦(えび)蛤(はまぐり)蛙(かえる)は、鳥・獣・魚のどれにも分けられないことから、「虫」として扱われ、そこから虫偏がついた、という訳なのです。
んー、漢字って古代中国の人の意味分類の跡を今日まで受け継いでいるんですね。漢字の語源も面白いなあ。

ところで、自然現象をあらわす言葉にも虫偏がついているものがあります。例えば、「虹」。トクする日本語には次のような記述がありました。
「虹」という漢字も古代中国では、“天に住む大蛇や竜”と考えられ、やはり「蛇」が関わっていることから、虫偏がつきますね。
映画「蟲師」では、虫があつまって、虹をつくるシーンがあったような記憶が。それにしても、「蟲」が生物全般をあらわす、といわれると、いまさらですが「蟲師」の内容がよく理解できるような気がします。

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