この一ヶ月ほど、平日は毎日1時間づつ、柴田先生(一度お会いしただけですが、こうよぶことにしました)の『翻訳教室』の課題を訳してました。起きてすぐ珈琲を飲みながら、ぼおおっとした頭で辞書をひき、英語も日本語も紙に鉛筆でコツコツ書き込みます。面倒といえばこの上なく面倒な作業だったはずですが、一ヶ月も経過すると習慣になるらしく(というのは、どこかの心理学の先生も言ってたはず)、課題を全部訳し終えてしまった今日の寝起きはなんだか物足りなく、また、この種の禁断症状がくるだろうなあと予測もしていたのでしばらく前から次の課題を探してました。
翻訳をもっと身につけたい、という目的ももちろんあって、じゃあ、ニュース翻訳とか別の分野に挑戦してみようかとも思いましたが、調べてみると、柴田先生の翻訳書はポール・オースター以外にもたくさんあり、アンソロジーになってたり講義形式になってたり、するものもちらほら。
短めの文章を訳して、柴田先生訳とつきあわせるのがいいかも、と、選んでみると、『柴田元幸ハイブ・リット』と『生半可版 英米小説演習』あたりがよさそうだったのでどちらも入手。このうち、『柴田元幸ハイブ・リット』は複数の作家の文章と柴田先生訳の文章が見開きになっていて、しかも、作者が自分の作品を朗読したCDがついてます。ちなみに、出版社はアルク。小説が音楽だとしたら、このCDは作曲者による演奏みたいなものといえるかも、な、なかなか貴重な音源です。
英語教材としては、読んでもよし、聴いてもよし、音読してもよし。そしてもちろん、翻訳して柴田先生の訳と比較して味わってもよし。収録作家は、Barry Yourgrau, Rebecca Brown, Kelly Link, Stuart Dybek, Steven Millhauser, Paul Austerです。オースターファンのわたしとしては、オーギー・レンのクリスマス・ストーリーの朗読が作者の声で聴けて、しかも柴田先生訳が読めるなんて!とうっきゃあな喜びに満ちた本です。といっても、声を聴くのは最後のおたのしみにとっておくことにして、まずは翻訳翻訳。
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