2013年2月17日日曜日

オバマさんの勝利演説とグロービッシュ。 Is Obama's victory speech close to globish?



TOEIC Test プラス・マガジンの1月号をぱらぱら眺めていたら、昨年11月にテレビで観てた、オバマ大統領の勝利演説の一部が教材として載っていました。オバマさんはその外見だけで、多様化するアメリカの象徴のような人だけれど、お父さんがケニア出身でお母さんがアメリカ人、育ったのはハワイで、お母さんの再婚相手はインドネシア人、6歳から10歳まではインドネシアに滞在、というその生まれと育ち(Wikipediaを参考)からすると、幼少期から多様な言語環境にいた、と言えそうな人です。

そんなオバマさんのスピーチはかなりグロービッシュ度が高いかも?と気になったので、まずは単語について調べてみました。さて、オバマさんの勝利演説はグロービッシュ単語と非グロービッシュ単語をどんな割合で使っているんでしょう?

というわけで、グロービッシュの公式サイトにある、グロービッシュチェッカー(globish text scanner)(文章を入力してボタンを押すと非グロービッシュ単語が赤字で表示される)に、こちらに掲載されていた勝利演説全文(ただし、オバマさん以外の人の言葉や拍手などはのぞく)を入力、ちまちまと地道に赤色で表示される単語を記録して数えてみたところ、159単語でした(重複をふくむ)。一方、演説全文はテキストエディタで語数を数えてみたところ、2157単語(こちらも重複を含みます)。つまり、オバマさんのこの演説は、単語だけでみれば、約93%がグロービッシュ単語、約7%が非グロービッシュ単語という結果になりました。

さらに、非グロービッシュとなった単語をみてみると、"president(大統領)"や"election(選挙)"など、このスピーチにとって主要キーワードとなる単語がはいってますし、当然何度も繰り返されてます。グロービッシュを国際会議に使おうとする場合を考えてみると、おそらくはその会議のテーマにかかわる主要キーワードがあって、それらはグロービッシュ単語じゃないってことが少なくないんじゃないかと思いますが(一般には専門用語とされる単語が多いかも)、少なくともその会議においてはみんなが知ってて当然な単語なわけで、つまりは、(グロービッシュ)+(非グロービッシュだけどその場では高頻度な単語)、という単語構成がわかりやすいスピーチなのかも、と考えさせられました。

実はさらに(蛇足かもと思いつつ)、この演説に登場する非グロービッシュ単語が日本人(一般的な日本の英語教育を受けた人)にとってどのくらいの「難しさ」なのか定量的につかめたらいいなあと思い、ひとつひとつweblioに入力してみては、学習レベルの目安(検索結果のページの右なかほどに表示されます)を調べてみました。

結果をざっくりいうと、高校卒業までに習うと思われる単語が約7割。日本の高校生がこのスピーチを読んで、わからない単語が出て来たから辞書を使って調べたとしても、そんなものすごい数にはならなさそうです。

などとさんざん分析してしまいましたが、あらためて読むと美しくも力強いスピーチです。スピーチの達人が素晴らしい大統領とは限らないのでしょうが、少なくともこのスピーチで希望を感じた人は多いはず。

ちなみに、このスピーチの最重要キーワード、"forward”はグロービッシュ単語であり、日本の中学生でも知ってる可能性が高い言葉です。その点でも、オバマさんの勝利演説はグロービッシュ度が高いといえそう。


関連リンク
バラク・オバマ米大統領、再選のスピーチ 全文和訳 (goo ニュース)
バラク・オバマ米大統領、再選のスピーチ 英語全文 (goo ニュース)


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