2014年4月14日月曜日

小説と音楽 novels and music

最近ずっと、好きな小説はなぜ好きなんだろう、好きな翻訳はなぜ好きなんだろう、というようなことを考えていたところ、次のような文章に出会って、そっか、結局は音かも、とかなり納得しました。
最近、思うのですが、「映画と漫画」は映像を「見せてしまう」という点で同じジャンルですが、そういう意味で言うと、「小説」は「音楽」の仲間ではないでしょうか?  映像はないので、自分で想像するしかありません。言葉によってイメージが喚起されて、リズムやテンポを身体感覚で味わう、という点で、同じような気がします。書かれている(もしくは歌われている)テーマなんてどうでもいいんです。読んで(聴いて)、ああ気持ちよかった、と思えるものが最高なんじゃないでしょうか。(伊坂幸太郎『3652』p.49)
小説は音で楽しむ、というのは、音の好みはもちろん、もしかすると個人差があって、テーマや意味がやっぱり重要、っていう人も中にはいるのかもしれない、と想像しますが、すくなくともわたしはかなり音重視な楽しみ方をしているような気がします。というのは、音楽と小説はなかなか一緒にたのしめないし、音楽を聴きながら文章を書く、というのも苦手。

『翻訳教室』での柴田先生のコメントを読んでると、かなりこの「音」が重視されているのがよくわかります。意味を正確に訳すのはもちろん、原文のリズムやテンポも再現しようとする翻訳。小説が楽譜だとしたら、翻訳家は外国語の音のルールに従ってその小説をアレンジする、編曲者のようなものといえるかもしれません。

んー、面白い。そしてムズカシイ。

翻訳教室 (朝日文庫)

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