2013年6月30日日曜日

英語の5つの短母音 5 short vowels in English

(松香式?)フォニックスで、6つの子音の次に紹介されているのが、5つの短母音です。発音記号で表すと、"apple"の"a"に対応する音、[æ]、"egg"の"e"に対応する音、[e]、"Indian"の"I"に対応する音、[i]、"octopus"の"o"に対応する音、[ɑ]、"umbrella"の"u"に対応する音、[ʌ]。

同じアルファベットでも別の発音になる場合は後で出てきますが、まず今はこの5つの音を発音し、聴いて区別できるように、と努力中。正直苦戦しています。

番号 文字 キーワード 練習単語
7
Aaapplebag bat tap
8
Eeeggegg bed pet
9
IiIndianpig bib big
10
Oooctopuspot top dot
11
Uuumbrellabud tub bug

前回と同じように、発音と文字の対応ルールに番号づけし、文字、キーワード、練習単語を示すと上の表のようになります。

で、これらの何が難しいかというと、日本語の、「ア」「エ」「イ」「オ」「ウ」ではない、と頭でわかっていても、聴くとこの5つに分類してしまう自分がいる一方、発音のときも、日本語の母音を基準にしてアレンジしていこうとする、カタカナ英語を離れようとするのにカタカナ英語にもどってしまう自分からの脱却が難しいのでした。

が、ここ数日あれこれやってるうちに、これらの音を聴くと(カタカナではなくて)直接アルファベットとそれを発音する口の形、筋肉の動きが脳裏に浮かぶようになりつつあります。例を挙げると、"bag"の音を聴くと、「バェァグ」ではなく、"bag"のアルファベットが頭に浮かんで、同時に[bæg]も意識する感じ。

といっても、まだしっかりと音や発音の記憶が確立するには至っていないらしく、例えば、"tap"と"top"と"tub"の音の聴き分けがかなり難しいです。私の頭の中では、[æ]と[ɑ]と[ʌ]がどれもカタカナの「ア」の仲間としてグルーピングされているようなのと、語尾の[p]と[b]の区別が難しいよう。

そこで、フォニックス関連のiphoneアプリをあれこれ試したところ、それなりに面白いし効果もあった気がするので、次の記事で紹介したいと思います :)



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英語の6つの子音 6 consonants in English
フォニックス phonics

2013年6月28日金曜日

英語の6つの子音 6 consonants in English

松香洋子著『アメリカの子供が「英語を覚える」101の法則 』で、最初に紹介されているルールは英語の6つの子音についてのもの。(松香式?)フォニックスでは発音記号を使いませんが、一応発音記号との対応も紹介されているので、すっかり発音記号に慣れてしまっているわたしは適時使って書いていきますが、とにかく最初の6つというのは、文字と発音の関係が一定しているので、発音記号も文字のままだったりする、[p]、[b]、[t]、[d]、[k]、[g]、です。

この本はCDがついてるわけでもなく、さらには日本語のカタカナを使いながらも、日本人英語の発音を脱却することを目指しているのがよくもわるくも特徴かもしれません。ともあれ、例えば、[p]の発音については、"pig"というキーワードの"p"の文字に対応する音として記憶するのですが、その説明は、
小さい軽い紙を一枚用意してください。その紙を口の前にたらし、口をかたく閉じてから急に「プッ」とするどく言ってください。でも声に出してはいけません。ささやくように、しかしなるべく激しく紙が揺れるように、強く息を出してください。それがpという文字が表している音です。(p.51)
というもの。で、音が出たら、下の表に従って、キーワードと練習単語を言ってみます。単語は外来語をもとにセレクトしてあるので、意味はわかりやすく、英語らしく発音すると日本語のカタカナとのギャップがよくわかります。

番号 文字 キーワード 練習単語
1
Pppigpet pen piano
2
Bbbearbus bed banana
3
Tttigertelevision table ten
4
Dddogdoor doctor dog
5
Kkkingkey king kick
6
Gggoatgirl gate guitar

それぞれの単語の発音については、今回はしっかりやりなおしを、と、weblio単語帳にこれらをまとめて発音も確認しながら練習してみました。

綴りも意味もすっかり知ってるつもりの単語群ですが、脳裏にカタカナが浮かびやすい分、発音的には難関かも?わたしの場合は、tのときに舌の先を上の歯ぐきにつけること、kやgを強く発音するのがおろそかになりがちでした。pやbも勢いが弱くなりがち。

(松香式?)フォニックスでは、この6つの音を、1)聞き分けられる、2)正しく発音できる、3)文字を見て音を出せる、4)音を聞いて、それを文字で表せる、の、4つが出来てから次に行くことになってます。わたしの場合は独学なので、ある程度練習して自分でたぶん大丈夫!?というところへ次へ行くことに。まあ、多少間違っていたとしても、フォニックスに従えば、一貫してちょっとずつずれることになるので、たぶん聴く方にもわかってもらいやすく、体系的な修正もしやすいのでは、と予想してます。




関連リンク
Pronunciation Tips | BBC Learning English
英語の音ひとつひとつについて、動画で解説するなど、発音関連の教材が充実。
Phonetics: The Sounds of Spoken Language - The University of Iowa
アイオワ大学のこのサイトも、英語の発音を説明する動画や画像が充実してます。舌の位置や動きもチェック可能。

関連記事
フォニックス phonics
日本語は声の言語、英語は息の言語 Japanese is a language with vibrating vocal chords, whereas English is a language of voice and breath
英語の発音分析iOSアプリ、SpeakAP an iOS app of English pronunciation analysis, SpeakAP
she sells seashells by the seashore: [s] vs.[ʃ]

2013年6月27日木曜日

フォニックス phonics

TOEIC受験日がせまってるけど、でも、うー、気になる!!と、6月に入ってから受験勉強の合間にやってみてしまったのが、松香洋子著『アメリカの子供が「英語を覚える」101の法則 』で紹介されていた、フォニックスphonics)という英語学習法。英語圏では、子供が「聴く、話す」世界から、「読み、書く」世界へと向かうための、二つの世界の架け橋になるような教授法を使うことがある、と知って、わー、面白い、なんで今まで知らなかったんだろう?早速やってみよう!!という気持ちになったのでした。

ちなみに、この本にも、そして、wikipediaのフォニックスのページにも書いてありますが、フォニックスが効果的な学習法なのかどうかについては長く議論が続いているものの、概ね効果は認められている、といったところのよう。

で、フォニックスとは何かというと、英語の文字や文字の組み合わせと、英語の発音との対応を組織的に教える教授法。といっても、英語において、発音と綴りの対応はおよそ75%。例外はたくさんあるわけですが、規則に従ったものに重点を置いて、発音記号を使わずに、あくまでも頻度が高い規則のほうに重点を置く。

101のルールを覚えるのにかかる時間は、ものすごく熱心な人で10日間、とあったのを、わたしは無理矢理一週間ほどで自分に詰め込もうとしました。するとまず、1)英語の発音がやたら楽しく2)英単語をみると、どのルールがどれだけ適用するかを検証したくなる、という副作用(?)が出て来て、TOEICの勉強が楽しいような、解体されていくような心地になり、で、TOEICなボキャブラリーだと、かなりの例外があるようだ、と悟った時点で、受験勉強とフォニックスの併用を断念。しかしさらに副作用として、3)英単語の綴りをやたら間違えるようになる、という症状も出てきました。どうも、発音の記憶が間違っている単語については、綴り字も規則的に間違えるようになったよう。

でも単なる英語学習としては、1)発音がたのしい、のは悪くないことです。単語を見て、綴り時をみると、すぐに音、あるいは、発音するための筋肉の動きが記憶としてよみがえるこの感じは、遠い昔、日本語のひらがなを覚えたての頃、同じ絵本を何度も読み返してたあの感じに似てるかも?そして、意味を知っている、知らないにかかわらず、2)発音して試してみる、のは、知らない漢字の旁から音を推測するのに似てるかも?3)綴り方を間違える、のも、何か間違って覚えてるのが明らかになるわけで、悪くない傾向です。

というわけで、やりなおしの英語として、もう一度、フォニックスをやってみることにしました。今度は以前よりも時間をかけて。で、その結果、わたしの英語経験がどうなったか、どんな変化が感じられたか、をまたこのブログでレポートしてみたいと思います。


松香洋子著 アメリカの子供が「英語を覚える」101の法則 (講談社プラスアルファ文庫)

関連リンク
フォニックス - Wikipedia

2013年6月21日金曜日

第181回TOEICまであと2日 i take the 181st TOEIC exam in two days.

第181回TOEIC試験は、いよいよ明後日に迫りました。直前には、あれを、これを、と自分なりに課題をいくつか考えていたものの、結局は一番基本となる「体調」を崩し、微熱でぼおおっとしています。というわけで、今日明日の課題は、熱を下げることに決定し、ため息をつきながら梅醤油番茶をすすっています T^T

でもまあ、体調が悪かったとしても、体調が悪い場合のスコアが出るので、それはそれは貴重なデータってことで…。

体調はさておき、TOEIC対策としてやってみた勉強の進み具合はというと、『TOEICテスト新公式問題集〈Vol.5〉』の練習テスト1でわからなかった単語や表現をiknow!のカスタムコース化したものの復習を終えました。続いて、練習テスト2でわからなかった単語や表現をまたiknow!のカスタムコースにし、現在復習中。

加えて、iknow!のコースの中でTOEICとビジネス英語に関連したコースをちまちまと学習中。以前にも書きましたが、iknow!での学習はじっくりゆっくりしか進まないので、まだほとんどが途中です。

そして先週、試験形式にも慣れようと、新たに入手した『TOEICテスト新公式問題集〈Vol.4〉』の練習テスト1を解いてみました。スコアは、リスニングが87(換算点レンジは、395-450)、リーディングが83(換算点レンジは、355-400)と、以前とあまりかわりません。が、リーディングセクションを解いてた時の実感はかなり違ってて、「わからない単語がほとんどないよ!」とちょっとびっくりな感じでした。

たぶん、公式問題集内で使われるボキャブラリーにはある程度の制限があって、「公式問題集の復習」+「iknow!ビジネス関連コース」+「iknow!TOEIC関連コース」あたりをやっておけば、ほとんどの単語がわかるようになるのかもしれません(実際のテストに出るかはまた別問題ですが)。ではどうしてわたしのスコアがほとんど同じだったかというと、たぶん解答するスピードが遅かったから。Part6とPart7は解答した問題は全て正解でしたが、後半13問は手つかずで終わりました。わからない単語がたくさんあると、えいっと適当に答えるところも、意味がわかったために遅くなった、そういうことかなあ、と自分では納得してます。

TOEICは結構体力気力を使うテストなので、とにかく熱を下げなければ。あとは冷房対策をしっかりして臨もうと思います。梅雨入りしてここ数日で急に涼しくなった石川県内、わたしのように体調を崩してる受験者の方もいらっしゃると思いますが、どうかご自愛ください。


TOEICテスト新公式問題集〈Vol.5〉

TOEICテスト新公式問題集〈Vol.4〉

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TOEIC作戦 Operation TOEIC

2013年6月19日水曜日

害虫の英単語 English words on vermin

「虫」をweblioの研究社新英和中辞典で調べると、訳語のひとつに、"vermin"という単語がありました。逆に、この"vermin"をweblioで調べると、まず研究社新英和中辞典では、
[集合的に; 複数扱い]
1a 害虫 《特に家・衣類などの害虫やノミ・ナンキンムシ・シラミなど》.
b 害獣,害鳥 《ネズミ・モグラなど》.
2 社会の害虫,人間のくず,やくざ.
との説明が。

2の意味はさておき、1bには害獣、害鳥とあるように、昆虫以外のものもはいってるのが面白いところ。さらに、語源については、
ラテン語「虫」の意; 【形容詞】 verminous
とありました。これは、漢字の「虫」がもともとヘビの象形文字だった話の逆をいくようなお話。ラテン語では、もともと「虫」をあらわす言葉が後に、動物のカテゴリー的にはもっと広い範囲を意味するようになったというのが興味深いところです。

では、具体的に、"vermin"にはどんなものがあるかというと、例えば最近、日本のニュースで話題になっている害虫といえば、マダニ。英名は、"tick"。

wikipediaによれば、マダニ(マダニ科のダニ)は次のような感染症を伝播させるベクターだ、と説明されていました。
  • 日本紅斑熱
  • Q熱
  • ライム病
  • ダニ媒介性脳炎
  • 重症熱性血小板減少症候群
で、今年、日本のニュースに取り上げられているのは、一番最後の「重傷熱性血小板減少症候群」で、すでに10人の死者が出ています。ちなみに病気を引き起こすウィルスがマダニから発見された、という朝日新聞のニュースはこちら(画像と動画あり)。より具体的には、タカサゴキララダニからウィルスが発見されたようです。

ところで、ダニでも、マダニ(tick)より小さいものを、英語では、"mite"という、とwikipediaの解説にありました。同じ区別は、中国語、ドイツ語にもみられ、中国語ではマダニは「蜱(pí)」、それ以外のコナダニ類などを「蟎(mǎn)」と区別し、総称として「蜱蟎」と呼ぶそう。ドイツ語では、マダニは"Zecken"、より小さいものは、"Milben"。マダニが吸血性であること、感染症をもってるかもしれない危険を思うと、この分類はなかなか機能的です。

といっても、マダニ以外のダニもベクターになることがあるようで、wikipediaでは上記の感染症に加え、次のものが紹介されていました(マダニによる感染症もふくむ)。
  • ツツガムシ病
  • ロッキー山紅斑熱 マダニにより感染
  • 2007年から中国でブニヤウイルス科のウイルスをダニが媒介した病気により、30人以上死亡したと言われる(中国での血小板減少症候群の流行)
ところで、わたしはなんとなく、ダニは昆虫だと思っていましたが、間違ってました。昆虫綱は脚が6本なのに対し、ダニが属するクモ綱は脚が8本。ダニ、特にマダニは胴体の大きさがかなり目立つので、脚がそんなにたくさんあったなんて気づかなかったです。見つけたときにはもう猫にかなり食い込んでいたりするし( -e-)

さて次は、病気を媒介することもあるけど、とにかく刺されるとかゆくていやな虫、蚊(カ)。英名はご存知、"mosquito"。脚は6本で、昆虫綱ハエ目に属します。英名の綴りは、特に後半部分が英語っぽくないなあと思ったら、語源はスペイン語で「小さなハエ」という意味だそう(by weblio)。

蚊が媒介する伝染病はたくさんあります。wikipediaには次の伝染病が紹介されてました。
メスが人体の血液を吸い取って痒みを生じさせる以外に、伝染病の有力な媒介者ともなる。マラリアなどの原生動物病原体、フィラリアなどの線虫病原体、黄熱病、デング熱、脳炎、ウエストナイル熱、チクングニア熱などのウイルス病原体を媒介する。日本を含む東南アジアでは、主にコガタアカイエカが日本脳炎を媒介する。
旅行する地域によっては、蚊に刺されないことが最大の予防になりますし、刺されたら場合の対応策を練っておくのも大事。ちなみに、「蚊に刺された」は、英語では、"A mosquito bit me."や"I was bit by a mosquito."など、"bite"を使って表現するようです。

最後に紹介するのは、南京虫(ナンキンムシ)。英名は、"bedbug"。日本名は、床虱(トコジラミ)、床虫(トコムシ)ともいうそう。脚は六本で昆虫です。また、名前にシラミとありますが、シラミではありません。

この南京虫に刺されると、激しいかゆみがある上に、刺された後がなかなか消えないそう。近年ではオーストラリアやアメリカで大発生し、日本でも被害例が時折あるそうです。しかも、殺虫剤への耐性を(一万二千倍!?)強めた、スーパーナンキンムシが発生しているとのこと。旅先はもちろん、自国でもお会いしたくない害虫です。

こうした害虫のことは、普段から見た目、行動習性を把握しておくことが大事かな、と思いますが、旅先によっては、現地での情報収集や対策が重要になるかもしれません。

というわけで、害虫の外国語名、覚えておくと便利かも。

関連リンク
忍び寄る“スーパーナンキンムシ” NHK クローズアップ現代

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昆虫の英語表現 English words for insects

2013年6月16日日曜日

昆虫の英語表現 English words for insects

蝶々、つかまえた。どうも日本語の「虫」という言葉は意味範囲が結構ひろいので、今回は「昆虫」に限って身近な虫の英語表現を調べてみようかと思います。

まず、うちの庭によくいる昆虫といえば、蝶(チョウ)。英語では、"butterfly"。ロングマン英和辞典をチェックしてみると、"butterfly"には、チョウ以外に、バタフライ(泳法の一種)移り気な人、ひとところに落ち着かない人という意味があります。

ちょっと面白いのは、成句で、
have butterflies(in your stomach)(不安・緊張などで)どきどきする, そわそわする
という表現があること。日本語でも「腹の虫」なんていうことがありますが、こういうひらひら感はないような。それでもお腹に何かいる感じ、の表現が共通しています。ドキドキする感じとお腹の中に蝶がいるみたいな感じを重ね合わせるのはわかるような気が。頭ではどうしようもない感覚っていうのも、「腹の虫」と共通してるかも?

a bee and cherry blossoms

さて、次は蜂(ハチ)。英語では"bee"だよね、とロングマン英和辞典で"bee"をチェックしてみると、ハナバチ、ハチとありました。また、"honeybee"でミツバチ、"bumblebee"でマルハナバチ、とも。

a carpenter bee in an azalea blossom. じゃあ、クマンバチとかスズメバチはどうなるの?とwikipediaで調べてみると、まず、クマンバチ(熊ん蜂)はクマバチ(熊蜂)ともいい、英名は"carpenter bee"。大工さん?

そして、スズメバチの英名は、"hornet"と"wasp"。日本語だとミツバチもスズメバチも、「ハチ」がつきますが、英語では全く別の表現になるところが面白いです。スズメバチは大きさも危険度もミツバチとは違うから特別扱いなのかな?

"bee"を使う成句でちょっと面白いのは、ロングマン英和辞典に載っていた、
have a bee in your bonnet (ある考えに)とりつかれている, 思い詰めている
という表現。"bonnet"はボンネット(あごの下でひもを結ぶ幼児用の帽子)。帽子の中にミツバチがいたら、もうそのことしか考えられない、そういう感じ?

a little garden

最後は蟷螂(カマキリ)。漢字では鎌切とも書きますが、英語では、"mantis"あるいは"praying mantis"とも。日本語だと、「鎌をふりあげてるよう」に見える前脚が、英語名をきくと、あ、たしかに「祈ってる(praying)よう」に見えなくもなくなるのが不思議です。

でもうーん、肉食なこの昆虫が他の虫を食べるところを見てしまうと、やっぱり鎌のイメージのほうがふさわしい気が( -e-)

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虫の語源 the origin of "虫"

2013年6月15日土曜日

虫の語源 the origin of "虫"

a frog loves the morning glories外国語について調べていると、逆に分かっているようで分かってなかった母国語の特徴に気づくこと多々。「虫」についても、英語の"worm"に昆虫以外の種であるミミズがはいるのが意外で、日本語の「虫」も昆虫以外を含んでるのかな?とまたもやweblioで調べてみると
(1)人・獣・鳥・魚・貝以外の小動物。多く、昆虫をいう。(三省堂 大辞林)
とあります。というわけで、意味的カテゴリーの大きさを比較すると「虫」>「昆虫」。だいたい、「昆虫」が「昆」+「虫」なのが、「虫」カテゴリの大きさを語っているような。それに音的にいうと、「虫」と"worm"って近い気が。どっちも柔らかそうな、ぬるっとした語感。

脚がなくて、ぬるっとして、そしてにょろっとといえば、ヘビ、ん、「蛇」は虫偏!?カエル、「蛙」も虫偏だし、あ、「爬虫類」って言葉にも虫がはいってます。貝だって、ハマグリは、「蛤」。「虫」って漢字の意味範囲は相当広い?

と、気になったので、今度は漢字、「虫」の語源を調べてみました。

wikipediaによれば、
虫という漢字の由来は、ヘビをかたどった象形文字で、本来はヘビ、特にマムシに代表される毒を持ったヘビを指した。
そうそう、マムシなんて、音に「ムシ」がはいっている上に、漢字で書いても「蝮」。語源がヘビだときいて納得。昔の人が毒を持つこの生き物について文字をつくって記そうとしたのもわかる気がします。

これだけだと、「虫」の意味範囲の大きさは実感できませんが、続いて「虫」に似た漢字、「蟲」との関係について説明がありました。
蟲という漢字は、元は「生物全般」を示す文字であり、こちらが本来「チュウ」と読む文字である。古文書においては「羽蟲」(鳥)・「毛蟲」(獣)・「鱗蟲」(魚および爬虫類)・「介蟲」(カメ、甲殻類および貝類)・「裸蟲」(ヒト)などという表現が見られる。しかし、かなり早い時期から画数の多い「蟲」の略字として「虫」が使われるようになり、本来別字源の「虫」と混用される過程で「蟲」本来の生物全般を指す意味合いは失われていき、発音ももっぱら「チュウ」とされるようになり、意味合いも本来の「虫」と混化してヘビ類ないしそれよりも小さい小動物に対して用いる文字へと変化していった。
もともと意味範囲が大きかったのは、「蟲」であって「虫」ではなかったけど、混用される中で意味も混用された。で、ヘビ類ないしそれよりも小さい小動物を指すようになった、と。虫偏はこの変化した「蟲」の意味とほぼ重なるのかな?と、今度は、虫偏の語源を調べると、NHKアナウンスルーム、トクする日本語のサイトに、このトピックについてわかりやすい文章がありました。
なぜ"虫"がつく?
「蝦(えび)蛤(はまぐり)蛙(かえる)にはなぜ、虫偏が使われているの?」というお便りが届きました。たしかに「虫」というと昆虫類のことをイメージしますよね。実は、古代中国では「虫」の意味する範囲が今とは違っていたのです。外見から、「鳥」「獣」「魚」に大きく分け、このどれにも当てはまらない小動物の総称を「虫」と呼んでいました。そこで、蝦(えび)蛤(はまぐり)蛙(かえる)は、鳥・獣・魚のどれにも分けられないことから、「虫」として扱われ、そこから虫偏がついた、という訳なのです。
んー、漢字って古代中国の人の意味分類の跡を今日まで受け継いでいるんですね。漢字の語源も面白いなあ。

ところで、自然現象をあらわす言葉にも虫偏がついているものがあります。例えば、「虹」。トクする日本語には次のような記述がありました。
「虹」という漢字も古代中国では、“天に住む大蛇や竜”と考えられ、やはり「蛇」が関わっていることから、虫偏がつきますね。
映画「蟲師」では、虫があつまって、虹をつくるシーンがあったような記憶が。それにしても、「蟲」が生物全般をあらわす、といわれると、いまさらですが「蟲師」の内容がよく理解できるような気がします。

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2013年6月12日水曜日

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自家製の堆肥で育てたルッコラ。サラダにいれるとアクセントになって美味 ♪( ´θ`)ノ #photo #green
今年は春から鉢植えに種をまいてルッコラ(ルッコーラ?)を育ててます。近くの農協で売っていたルッコラの種はイタリア産でしたが、わたしにとってルッコラはフランス滞在の思い出の食べ物。

たぶんそれまではルッコラをあんまり食べないか意識してなかったと思うのですが、マルシェでおじさんが売ってたサラダミックスがあまりに美味しくて、うわ、サラダって調味料使わなくてもこうしていくつかクセのあるグリーンを組み合わせるとものすごく美味しくなるんだ!と感動。この感動をおじさんに伝えたくて友達に「ものすごく美味しいってなんていうの?」とフランス語まで習って通いつめました。

で、そのサラダミックスの中でも特に存在感があったのが、ルッコラで、以来ルッコラが大好きになったのですが、残念ながら近所のスーパーではあまり売ってるのを見かけず、栽培にふみきりました。

葉ものの栽培には、虫喰いがつきもの。以前小松菜を育てていたときは、プランターが蝶の託児所のようになってしまい、しかもだんだんいも虫がかわいくなったので、もう好きなだけ食べていいよ、と自分で食べるのをあきらめてしまいました。

が、今回のわたしはもう、ちょっと芽がでたときからもう、食べたくてたまらず、自分でもこわいくらいでした。香りが強いグリーンなので、もしかしたら虫がくるかも?、そしたらもう手加減しないよ、ぐらいの気持ちで、といっても対策はしょっちゅう鉢をチェックするのみ。すると敵?はやってきました。虫喰い穴が、いやかなり大胆に食べられてます。でも虫の姿はなく…。

と、語学以外の前置きが長くなりましたが、何に食べられたかわからないけど、葉っぱに食べられた跡があった場合、「虫に喰われた、やられた」などと日本語では言うように思いますが、これを英語で言う場合、「虫」は何になるのでしょう?昨日調べた虫分類だと、bug(小さな虫)かworm((脚がなくて細長い)虫)かな?insect(昆虫)とcaterpillar(いも虫、毛虫)は意味的には当てはまるけど、ちょっと大げさというかかたくるしい気が。

でまた、weblio研究社新和英中辞典の「虫」の説明をみてみると、「虫の食った」に対応する英語表現として次の3つが紹介されてました。
  • worm‐eaten 《timber》
  • moth‐eaten 《cloth》
  • wormy 《apples》
timber(木材)が食べられてたら"worm"が犯人で、cloth(布)が食べられてたら"moth"が犯人で、apple(りんご)だったら"worm"が犯人、という、犯人に目星がついているというか、だいたいどんな虫が食べたかわかってる表現な気がしますが、これが一般的なのかな?

と気になったので、今度はロングマン英和辞典で、"bug"と"worm"を再びチェックしてみましたが、"bug"については「虫喰い」関連の例文はありません。"worm"もそれ自体には「虫喰い」関連の例文はないのですが、研究社新和英中辞典でも紹介されていた、"worm-eaten"は「<木材・果物などが>虫に食われた、虫食い穴のある」、"worm-hole"は「(木材の)虫食い穴」、"wormy"は「1.虫のわいた 2.虫食いだらけの」とありました。

んー、木材と果物以外の場合はどうなるの?犯人(虫)は誰?そもそも「現場にいなかった」ってことは、wormじゃないのかも?どっちにしても、ルッコラ栽培のためには犯人の特定が大事です。

で、ルッコラの害虫を調べてみたところ、ヤサシイエンゲイさんのルッコラ(ロケット)の育て方のところに、説明がありました。
病害虫 病気は特になし・害虫 アブラムシ
初夏から梅雨時期にかけて新芽を中心として葉や茎にアブラムシが発生します。観賞用として育てているのであれば薬剤を散布して駆除しても特に問題ありませんが、食用とする場合は気になるなら薬剤散布は控えめにしたほうがよいかもしれません。木酢液や除虫菊など天然成分を使用した野菜用の殺虫スプレーなども市販されていますので、そんなものでもよいかもしれません。どちらにしても薬剤を使用するときはそれぞれの注意書きラベルに従いましょう。
アブラムシが犯人?てことは、"bug"?この際、"bug-eaten"とか、"bug-hole"って言っちゃだめかなあ?辞書には載ってないけど通じるような気が。

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虫の英単語 English words meaning ”虫”

2013年6月11日火曜日

虫の英単語 English words meaning ”虫”

キョウカノコ、咲いた♪( ´▽`) で、おしりに縞模様のある虫が来てたんだけど、ミツバチ⁇ #flower #photo庭で、花の蜜をすってる虫をながめながら、この虫、蜂?ミツバチ?おしりに黄色と黒の縞模様があるし…、と考えていたところふと、「この虫なんだろう?」と誰かに尋ねるのを英語で言うとき、虫はなんて単語になるのかしら?と気になりはじめました。

"insect"に"worm"に"bug"と思いついたところで、いつものようにwelioで調べてみると、トップに出てきた、研究社新和英中辞典の解説がやたら詳しくて、しばし「エスキモーの人は雪を表す言葉をたくさん持ってるっていうけど、おなじように、英語圏の人はこんなにも虫を分類するのかあ!:o」と、英語に対する認識ががらっと変わりそうになりましたが、これは単に辞書をつくった人がはりきっただけかもしれない、と思い直して、ロングマン英和辞典 をひいて出現頻度情報を調べてみることに。

まず、研究社新和英中辞典では、「」の意味分類の最初のカテゴリーと、それに対応する英単語として、次の7つを挙げています。
〈昆虫, 羽虫〉an insect; a bug
〈蠕(ぜん)虫〉a worm
〈毛虫〉a caterpillar
〈蛾(が)〉a moth
〈鳴虫〉a cricket
〈害虫〉vermin (総称)
これらの英単語をロングマン英和辞典で調べてみると、"vermin"については、コーパス情報がありませんでした。つまりこの単語は出現頻度が低いのではぶくこととして、残った6つをコーパス情報とともに示すと、
  • insect - J2
  • bug - S2,J6
  • worm - J5
  • caterpillar - J8
  • moth - J7
  • cricket - J4
となります。J2など、Jがついてる単語は、JACET(大学英語教育学会)の8000語の語彙表にはいっているものを示し、J2は出現頻度の高い2000語の中にその単語がはいっていることを示しています。一方、S2は、話し言葉の英語で最も頻度の高い2000語のひとつであることを意味します。ロングマンコーパスは、話し言葉、書き言葉についてそれぞれ、頻度の高い3000語を選んでいますが、この6つの単語のうち、Sがついているのは、"bug"だけで、W(書き言葉で頻度が高い3000語のひとつであることを示す)がついたものはないので、「」を意味する英単語のうち、日常会話でもっともよく使われる英単語は"bug"であると思ってよさそうです。

と、同時に、それぞれの単語がどういう意味で使われることが多いのか、ということも気になるので、それぞれについて、ロングマン英和辞典で最初に紹介されている意味を調べてみると、
  • insect 昆虫
  • bug 小さな虫
  • worm (脚がなくて細長い)虫(ミミズ、ヒル、毛虫など)
  • caterpillar - いも虫、毛虫
  • moth - 蛾
  • cricket - コオロギ
となりました。ってことは、昆虫だとわかってて、脚も羽もあるけど蛾でもコオロギでもない小さな虫は、"bug"? 昆虫って言葉の学問的な感じをだすなら、"insect"かな?

というわけで、上の写真のような虫について、「この虫なんていうの?」を、昨日のオトキソを参考にしつつ英語で言うなら、"What is this bug called?"かな?

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2013年6月8日土曜日

日本語の「ん」の発音 pronunciation of the letter "ん" in Japanese

日本語の発音は単純。だって、平仮名、カタカナは表音文字で、仮名さえ読めれば日本語はとりあえず読める!

と、わたしはかなり長い間そう思っていました。でも、子供の頃からちょっと、「あれ?」と思うことはあって、例えば、「ガッチャマン」の「ガ」と、「わたしが」の「が」ってなんか口の中で起こってることが違うような…。

そして、つい最近、英語学習の参考に、と図書館でなんとなく手に取って読み始めた『ダーリンの頭ン中 英語と語学』で、かなと発音は必ずしも一致してないよ、という決定的例を知ってしまいました。

例えば「」の発音。次の5パターンを発音しながら口の動き、特に舌の位置を確認すると違いがよくわかります。
  1. はんのう
  2. はんぱ
  3. はんこ
  4. はんを
  5. はん
ダーリンこと、トニー・ラズロさんによると、
いろいろ説があるけどだいたい3つから5つに分類されているね(p.62)
とのこと。

んー、すごいなあ、と思わずうなってしまう、この「ん」は5番目の「ん」かな、違うかな?

他の例では、「するめです」の文頭の「」と文末の「」。たしかに何か違います。
「するめ」や「すみか」のように文頭にくる場合の「す」は「う」が入っている
そして、「〜です」のように文の最後にくる「す」は「う」はなく空気が抜ける音(p.61)
あれれ。日本語は必ず、子音と母音がセットかと思ってたけど、そうじゃない!?「するめです」の文末の「」は無声子音では!?

知ってるようで知らない母国語の発音。日本語の発音の特徴をもうちょっと意識したら、英語の発音の覚え方も代わるかも、と思ったお話でした。

ところで、最新の6 Minute English(BBC Learning English)のタイトルは、"Learning in the womb"。胎児の言語学習のお話です。ドイツの赤ちゃんとフランスの赤ちゃんでは、泣き声も違うんだとか :o




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2013年6月7日金曜日

トルコのデモ Turkey protests

ここ一週間、BBC NewsとFrance24のトップページに常に続報が出て、BBC Learning Englishの"Words in the News"にも取り上げられていたニュースはトルコのデモ。といっても、当初は、何のデモなのか、争点が何なのかよくわかりませんでした。6月3日のBBC Learning Englishでもタイトルは、
Turkey Protests
ですから、争点が何なのかわかりません。

わたしとしてはまず、1)何に反対してるのか?、2)BBCもFrance24もなぜこのニュースを熱心にとりあげるのか?、が気になって出来るだけニュースを追いかけてみることにしました。まず、Words in the Newsの文章は、
Erdogan has insisted that a controversial plan to redevelop Gezi Park in Istanbul, the issue which sparked the initial protests on Friday, will still go ahead.
で終わってます。そう、イスタンブール(Istanbul)のゲジ公園(Genzi Park)の再開発(redevelop)計画が最初の争点で、首相はこれを押し進めようとしたところ、反対行動を起こす人たちがでてきた、これが一週間前の出来事。

Words in the Newsの短い文章はたいてい、もっと長いBBC Newsとリンクしているので、そちら(Turkey protests: Clashes rage in Istanbul's Besiktas)を読んでみると、デモをしてる側の人たちの気持ちについて、こんなことが書かれていました。
They fear Prime Minister Recep Tayyip Erdogan's Justice and Development Party (AKP) is trying to impose conservative Islamic values on the officially secular country and infringe on their personal freedoms, correspondents say.
secular”は「世俗主義」などと訳される単語ですが、わたしにはこれだけでは何のことかよくわからず、んー、もうちょっとトルコを実感したいなあ、と図書館で見つけたトルコ滞在記的な本、遠山敦子著『トルコ世紀のはざまで』(2001)を読みはじめました。

まだはじめのほうしか読んでませんが、トルコの建国の理念について、ちょっとだけわかったので紹介すると、
1923年新しく共和国を建国するにあたり、ケマルが最も力を入れたのが、民主国家の建設であり、政治と宗教の分離による世俗国家の現出であった。
 それは、イスラーム圏の国では、実現することが最も困難な制度であった。なぜならイスラームの歴史において、政治の指導者と宗教の権威者とは不即不離であると考えられてきたからだ。宗教の法が社会を律する、というのがイスラーム社会の歴史においては基本であった。いまだにイスラーム社会であることと政教を分離することのふたつを両立させ、政教分離を明確に国家理念の柱とした国はトルコのほかにない。(p.39-40)
つまり、世俗主義(secularism)は現在のトルコの建国の理念であり、イスラム社会においては希有な個性ともいえそう。さらにちょっと古いものの、在トルコ共和国日本国大使を務めた遠山さんが書いたこの本によれば、トルコ国民の実に99%がイスラム教徒だそう。この世俗主義のおかげで、信仰は個人の問題となり、例えばラマダンを行うかどうかも個人の自由。

と、世俗主義を大事にする国、トルコ、と頭に置きつつBBC Newsの文章を読み直してみると、エルドアン(Drdogan)首相は政教分離と個人の自由をくつがえしてしまうかもしれない、脅威的存在に思えてきます。

BBCの記事によれば、6月2日までのこのデモの時間的経緯は以下です。
28 May: Small group of people attempt to block the removal of trees in Gezi Park, Istanbul. Police use tear gas and the cutting goes ahead.

29 May: Crowds in the park grow, some setting up camp.

31 May: Police move in to evict protesters, using tear gas and water cannon. Several people are injured. Protests against the police response break out in Izmir, Ankara and elsewhere. The interior ministry promises to investigate.

1 June: Tens of thousands converge on Istanbul's Taksim Square. PM Erdogan condemns the protests and vows development will go ahead. Numbers in the square later swell as the police pull out.

2 June: Protests continue in several towns and cities. Mr Erdogan condemns the "plunderers", but says a mosque will be built in the square.
最初はほんと、公園の樹を切ろうとする人たちと、それを止めようとする人たちの争いだったもよう。そこに、催涙ガス(tear gas)を使ったのがそもそもの間違いで、怒りを感じる人々が出て来ても仕方ありません。公園に人がさらに集まり、キャンプする人たちもでてくる一方で、警察側は高圧放水砲(water cannon)を使用。5月31日には各地に飛び火して「反首相」「反政府」デモの色彩を帯びてきました。

トルコは地理的、思想的(世俗主義)にも、アジアとヨーロッパの架け橋のような国。2020年のオリンピック招致も目指しているし、現在内戦中のシリアとも隣接。そのあたりが、BBCやFrance24などのメディアにさかんに取り上げられる理由?

ちなみに、6月5日の朝日新聞には、同志社大学でイスラム地域を研究している内藤正典教授のコメントが掲載されてました。一部引用すると
今回の暴動は、イスラム色を強めている政権に対する抵抗という面は確かにあるが、市民の声に耳を貸さず権力にしがみつくエルドアン首相個人に対する反発が一番大きな原因だ。首相を批判しているのは、世俗派だけでなく敬虔なイスラム教徒も含まれている。
デモの発端となった公園の開発では、首相を取り巻く政商の利権が絡むと予想され、人々はそれに強く反発した。
すでにこのデモ関連と思われる死者も出ているようですが、どうか平和的に解決しますように。

デモは人数や行動で「何かに反対している」ことを示すのには有効だけど、「何に反対してるのか」を明確に示すのは時に難しい、ということを考えさせられたニュースでした。




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2013年6月3日月曜日

古代ローマの暦 Roman calender

3月はじまりの古代ローマの暦ってどんな暦だったのかな?当時の人々はどんな生活を送ってたんだろう?と気になったのですこし調べてみたら面白かったので紹介します。ある物事を表す言葉とそのことについての歴史ってリンクしてるんだなあと、しみじみする事例でした。

まず、古代ローマ最初の暦は、ロムルス暦(Calendar of Romulus)。紀元前753年にローマを建国したと考えられている王、ロムルス(Romulus)の名前にちなんでます。この暦はなんと、1年は10ヶ月で304日、年の初めは、春めいてきた日に王が新年を宣言するという、おおらかなものだったようです。

で、その10ヶ月の名前はというと、
  1. Martius
  2. Aprilis
  3. Maius
  4. Junius
  5. Quintilis
  6. Sextilis
  7. Septembris
  8. Octobris
  9. Novembris
  10. Decembris
です。ついにこのブログにもラテン語が登場!なのですが、お気づきのように、ここでもう、英語の3月から12月の表現にかなり似てます。そして、英語の"April"の語源とされる"Aprilis"は、この時点でもう登場。

その後、紀元前713年に、ロヌルスの次のローマ国王、ヌマ・ポンピウス(Numa Pompilius)が改暦を行い、ロムルス暦の10ヶ月に加え、"Januarius"と"Februarius"を追加。これで一年は12ヶ月、355日になりました。

さらにその後、紀元前45年1月1日に、ローマの政治家で軍人、文筆家でもあるユリウス・カエサル(Julius Caesar)が、改暦を実施。一年は平均365.25日に。と書くと、単純に暦の精度が上がってるように聞こえますが、実際には、政治的(宗教的?)理由で、暦がずれにずれたため、改暦を行わざるをえなかったよう。この暦はユリウス暦(Julian calendar)とよばれるそうです。

で、ユリウス暦がはじまった翌年に、"Quintilis"の月名を、ユリウスの名前にちなんで、"Julius"とよぶようになったそう。また、ローマ帝国初代皇帝アウグストゥス(Augustus)は、この暦の運用上の誤りをただすため、数年間閏年を停止した後、紀元8年からは4年に1度、閏年を実施。このとき、"Sextilis"の月名を"Augustus"に変更。この時点で12ヶ月の名前は、
  • Januarius
  • Februarius
  • Martius
  • Aprilis
  • Maius
  • Junius
  • Julius
  • Augustus
  • Septembris
  • Octobris
  • Novembris
  • Decembris
となり、現在の英語の12ヶ月の名前の原型のようになってます。この後も月の名前を自分の名前と入れ替える国王がいたそうですが、それが現代まで継続せず、原型ともいえるこの形が英語の中に残ってるのが面白いところ。

ところで、新年がいつから"Januarius"はじまりになったのか、というのもなかなか混沌とした問題のようで、暦自体をとりいれても、新年はその地域の行事などにあわせて別の日に、と、この暦はある意味、おおらかというか、多様な使われ方をしていたよう。

最後に、ユリウス暦の12の月の名前(ラテン語)と、英語、フランス語の12の月の名前の対応を書いておきます。

ラテン語英語フランス語
JanuariusJanuaryjanvier
FebruariusFebruaryfévrier
MartiusMarchmars
AprilisAprilavril
MaiusMaymai
JuniusJunejuin
JuliusJulyjuillet
AugustusAugustaoût
SeptembrisSeptemberseptembre
OctobrisOctoberoctobre
NovembrisNovembernovembre
DecembrisDecemberdécembre

よく似てますね。言葉や国が変わっても、約2000年の時を経て月の名前にこんなに古代の名残があるなんて。特に、"Martius"など、古代ローマの神様にちなんだ名前の跡が、キリスト教を経ても残ってるというか、残されているのも面白いです。

そして、暦としては、ユリウス暦の改訂版というか、新暦であるグレゴリオ暦(Gregorian calendar)を取り入れた日本が現在、"January"や"janvier"の日本語訳をシンプルに「1月」としてる思い入れのなさというか、割り切り方も面白いのでした。

ちなみに、映画やドラマで暦の面白さを体感してみたい方には、韓国ドラマ『善徳女王』、日本の映画では『天地明察』がオススメです。どちらも、暦と権威の関係がよく描かれていて、当たり前がゆらいだ時の混乱がよくわかる物語でした。古代ローマはある意味、その混乱を鎮める方法を、かなり早い時期に会得した、その功績が現代にも続く文化(宗教的?)権威ともいえるのかもしれません。


善徳女王    天地明察

参考リンク
ローマ暦 - Wikipedia
ユリウス暦 - Wikipedia
古代ローマ- Wikipedia
Roman calendar - Wikipedia

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英語での12の月の語源 why does October mean the 10th month of a year, not the 8th?

2013年6月1日土曜日

英語での12の月の語源 why does October mean the 10th month of a year, not the 8th?

前の記事で紹介したBBCの教材では、"octogenarian"という単語が出てきました。意味は80代の(人)。

でもえっと、October10月で、octopusはタコで足が8本。てことは、"octo"は数字で本来は8なんだけど、カレンダーでは10番目。このずれって、なんだっけ?と気になったので調べました。たぶん、遠い昔に習ったはずだけど、忘れちゃった(最近こういうことが多い… - -; )ので。

で、いつものようにweblio英和辞典Octoberを調べてみると、語源として、
ラテン語「8 番目の月」の意; 古代ローマでは 3 月から 1 年が始まったことから
とあり、納得。8番目の月なのは、3月はじまりのカレンダーだったときの名残ってことかあ。

ん、じゃあ、1月と2月は11番目と12番目?とそれぞれ語源を調べてみると、まず、1月、Januaryの語源は、
ラテン語「Janus 神の月」の意; 旧年と新年と両方にまたがる月であることから
でした。1月は数字じゃなくって、神の月。そしてこの神様、Janusというのは、戸口・門の神様だそうで、へえ、なのでした。

次に2月、Februaryを調べてみると、
ラテン語「厄払いの儀式(の月)」の意
とあります。2月は厄払いって、節分に豆まきする日本と似てるなあ、とも(でも日本は年中厄払い行事があるかも?)。

そして3月、March
ラテン語「軍神 Mars の月」の意
また神様です。3月はじまりだから、農業用の暦、とも思いましたけど、まずは軍神ていうのは、各地に道や砦を築いた、ローマ帝国ならでは?3月は各地のパトロールに力を入れ始める強化月間開始、みたいな月だったのかしら?

で、4月。Aprilはというと、なぜか突然、語源の項がなくなり、ちょっと自信がなさそうに括弧とクエスチョンマークつきで、
[ラテン語「アフロディテの(月)」から?]
とあります。アフロディテは英語では、Aphroditeと綴る、ギリシャ神話の愛と美の女神。ローマ神話のVenusにあたるそう。

ここでちょっと不思議なのは、ここまで古代ローマやローマ神話に関係した名前が多かったのに、Aphoroditeがギリシャ神話での神様名なこと。んー、4月に何があったんでしょうか。

ちなみに、ウィクショナリー日本語版で、Aprilのところをチェックしてみると、この英単語の語源としては、
中世英語 apprileより、auerilを再ラテン語化したもの< 古フランス語avrill < ラテン語Aprilis (ヴィーナス(Venus)の月)、おそらく、ギリシア語アフロディーテ(Αφροδίτη)を起源とするエトルリア語 Apru より
とあり、結局、エトルリア語?とよくわからない説明です。そして、ちょっとずれますが、面白いことに、4月は、ドイツ語でも英語でもインドネシア語でもマレーシア語でも、"April"と綴ります。

と、異国の香りがする4月が気になりますが、ここは深入りしないことにして、5月、May、の語源をweblioでチェック。
ラテン語「Maia (繁殖・成長の女神の名)の月」の意
と、またもや神様にちなんだ名前。そしてこの神様、Maiaという名前は、ローマ神話、ギリシャ神話、どちらでも同じ、というのもちょっと面白いです。

6月、Juneは、
ラテン語「Junoの(月)」の意
で、Junoというのは、ローマ神話の結婚をつかさどる女神だそう。古代ローマでも6月の結婚が多かったんでしょうか?

7月、Julyも、weblioでは控えめに括弧つきで、
[Julius Caesar の生まれた月で,その名から]
歴史上の人物が出てきました。ローマの将軍・政治家・歴史家、ユリウス・カエサル。生まれ月がカレンダーに刻まれているのって、日本の祝日的ですが、一ヶ月まるごとっていうのが、古代のおおらかさ?

そして、8月、Augustも控えめな語源解説。
[AUGUSTUS Caesar の名にちなむ; 元来「8 月」は October であった; ⇒JULY]
今度は歴史上の人物にちなむけど、生まれ月ではない?元来はOctoberとよばれてた8番目の月に、ローマの初代皇帝、アウグストゥスの名前が(日本の祝日的に?)おさまったのかな?

以後、9月(September)はラテン語で7番目の月、10月(October)は8番目の月、11月(November)は9番目の月、12月(December)は10番目の月。なんだか後半部分は手を抜いた感がありますが、そもそも古代の暦として重要だったのは、軍事と農業のアクションが起こせる3月がいつかってことで、その直前の1月と2月にはあれこれと準備を、直後の4月5月6月にはせっせとその年の計画をこなしていく、そういう感じだったのかも。

無理矢理まとめると、英語の12の月の名前って、ほぼ古代ローマの神話と人物と数字(数え方)由来。でもあれ、Aprilだけが謎?ここだけギリシャ、あるいはエトルリア?

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