2013年6月19日水曜日

害虫の英単語 English words on vermin

「虫」をweblioの研究社新英和中辞典で調べると、訳語のひとつに、"vermin"という単語がありました。逆に、この"vermin"をweblioで調べると、まず研究社新英和中辞典では、
[集合的に; 複数扱い]
1a 害虫 《特に家・衣類などの害虫やノミ・ナンキンムシ・シラミなど》.
b 害獣,害鳥 《ネズミ・モグラなど》.
2 社会の害虫,人間のくず,やくざ.
との説明が。

2の意味はさておき、1bには害獣、害鳥とあるように、昆虫以外のものもはいってるのが面白いところ。さらに、語源については、
ラテン語「虫」の意; 【形容詞】 verminous
とありました。これは、漢字の「虫」がもともとヘビの象形文字だった話の逆をいくようなお話。ラテン語では、もともと「虫」をあらわす言葉が後に、動物のカテゴリー的にはもっと広い範囲を意味するようになったというのが興味深いところです。

では、具体的に、"vermin"にはどんなものがあるかというと、例えば最近、日本のニュースで話題になっている害虫といえば、マダニ。英名は、"tick"。

wikipediaによれば、マダニ(マダニ科のダニ)は次のような感染症を伝播させるベクターだ、と説明されていました。
  • 日本紅斑熱
  • Q熱
  • ライム病
  • ダニ媒介性脳炎
  • 重症熱性血小板減少症候群
で、今年、日本のニュースに取り上げられているのは、一番最後の「重傷熱性血小板減少症候群」で、すでに10人の死者が出ています。ちなみに病気を引き起こすウィルスがマダニから発見された、という朝日新聞のニュースはこちら(画像と動画あり)。より具体的には、タカサゴキララダニからウィルスが発見されたようです。

ところで、ダニでも、マダニ(tick)より小さいものを、英語では、"mite"という、とwikipediaの解説にありました。同じ区別は、中国語、ドイツ語にもみられ、中国語ではマダニは「蜱(pí)」、それ以外のコナダニ類などを「蟎(mǎn)」と区別し、総称として「蜱蟎」と呼ぶそう。ドイツ語では、マダニは"Zecken"、より小さいものは、"Milben"。マダニが吸血性であること、感染症をもってるかもしれない危険を思うと、この分類はなかなか機能的です。

といっても、マダニ以外のダニもベクターになることがあるようで、wikipediaでは上記の感染症に加え、次のものが紹介されていました(マダニによる感染症もふくむ)。
  • ツツガムシ病
  • ロッキー山紅斑熱 マダニにより感染
  • 2007年から中国でブニヤウイルス科のウイルスをダニが媒介した病気により、30人以上死亡したと言われる(中国での血小板減少症候群の流行)
ところで、わたしはなんとなく、ダニは昆虫だと思っていましたが、間違ってました。昆虫綱は脚が6本なのに対し、ダニが属するクモ綱は脚が8本。ダニ、特にマダニは胴体の大きさがかなり目立つので、脚がそんなにたくさんあったなんて気づかなかったです。見つけたときにはもう猫にかなり食い込んでいたりするし( -e-)

さて次は、病気を媒介することもあるけど、とにかく刺されるとかゆくていやな虫、蚊(カ)。英名はご存知、"mosquito"。脚は6本で、昆虫綱ハエ目に属します。英名の綴りは、特に後半部分が英語っぽくないなあと思ったら、語源はスペイン語で「小さなハエ」という意味だそう(by weblio)。

蚊が媒介する伝染病はたくさんあります。wikipediaには次の伝染病が紹介されてました。
メスが人体の血液を吸い取って痒みを生じさせる以外に、伝染病の有力な媒介者ともなる。マラリアなどの原生動物病原体、フィラリアなどの線虫病原体、黄熱病、デング熱、脳炎、ウエストナイル熱、チクングニア熱などのウイルス病原体を媒介する。日本を含む東南アジアでは、主にコガタアカイエカが日本脳炎を媒介する。
旅行する地域によっては、蚊に刺されないことが最大の予防になりますし、刺されたら場合の対応策を練っておくのも大事。ちなみに、「蚊に刺された」は、英語では、"A mosquito bit me."や"I was bit by a mosquito."など、"bite"を使って表現するようです。

最後に紹介するのは、南京虫(ナンキンムシ)。英名は、"bedbug"。日本名は、床虱(トコジラミ)、床虫(トコムシ)ともいうそう。脚は六本で昆虫です。また、名前にシラミとありますが、シラミではありません。

この南京虫に刺されると、激しいかゆみがある上に、刺された後がなかなか消えないそう。近年ではオーストラリアやアメリカで大発生し、日本でも被害例が時折あるそうです。しかも、殺虫剤への耐性を(一万二千倍!?)強めた、スーパーナンキンムシが発生しているとのこと。旅先はもちろん、自国でもお会いしたくない害虫です。

こうした害虫のことは、普段から見た目、行動習性を把握しておくことが大事かな、と思いますが、旅先によっては、現地での情報収集や対策が重要になるかもしれません。

というわけで、害虫の外国語名、覚えておくと便利かも。

関連リンク
忍び寄る“スーパーナンキンムシ” NHK クローズアップ現代

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