2013年3月18日月曜日

『世界のグロービッシュ』 をちょっとだけ読んでみた。I read a little bit of "Globish The World Over".


以前からなにかと気になっているグロービッシュ、もうちょっと深入りしてみようかと、『世界のグロービッシュ ─1500語で通じる驚異の英語術』を読んでみることにしました。

この本の特徴は、グロービッシュについて「グロービッシュで」書かれた"Globish the World Over"の原文と日本語訳文の両方が読めること。まずは、グロービッシュを体験してみようと、なるべく原文で第2章まで読んでみたのですが、なかなか不思議な体験でした。

グロービッシュの単語は基本、1500語に限られているので辞書はいらないのですが、その分、意味がもわもわっとひろがりをもってしまったというか、意味が特定しにくい文章になってます。ちなみに日本語訳のほうは、語彙を制限してないので、そっちを読むと、もっとばしっと詳細に意味が定まるのでした。とまあ、ボキャブラリーが限られるとそういう短所もあるんだなあと、しみじみしてしまう文章。意味がわからないわけではないけど、ぼんやりしている、そんな感じです。

なので結局この本は日本語訳で読もうと思います…( -e-)『ロングマン英和辞典』によれば、約3000語で日常的英語の86%をカバーできるわけだし、無理して1500語にしなくても…、という気持ちにさえなったグロービッシュ読書体験でした。

第1章と第2章を読んだのですが、内容は興味深かったです。第1章のタイトルは「数多くの言葉(Many, Many languages)」。まず、現在の世界を昔と比較して、
100年前、世界といえば自分の国だったが、いまでは世界ははるかに広がっている。現在、ほとんどの人は地域の言語、つまり自国の公用語を使っている。現在、ほとんどの人は地域の言語、つまり自国の公用語を使っている。そして地球全体の人たちと、コミュニケーションをとることが必要になってきている。(p.11)
とありますが、たしかにそうかもしれません。インターネットを使ってると、地球全体とつながってるような錯覚がしますし、言葉さえ使えれば、と思う機会は多々。といっても、差し迫って他国の人とコミュニケーションをとる必要がある人ばかりではないと思いますが。

第1章、そしてこの本にとっても大事なデータはブリティッシュ・カウンシルの文書"English Next"のP.29にある次のデータ。

2004年に観光で国外へ旅行した人たちについて、旅行者の母語(公用語)と旅行先の母語(公用語)に基づき、”「国際コミュニケーション」においては「英語ネイティブ」はごく少数派である”ことを示すグラフです。

しかしこのグロービッシュ本では、「観光旅行(tourism)」という記述はなくて、単に「国際コミュニケーション(international communication)」についてのデータとなってるので、仕事上の会話や文書のやりとりも含まれてるのかしら?と思ったのは、わたしだけじゃないはず。このデータから、
国際的コミュニケーションのうち、アメリカ人とオーストラリア人など国が異なるとしても、英語のネイティブ・スピーカー同士で行われているものは、わずか4%である。つまり、英語による国際的なコミュニケーションの96%については、少なくとも1人の非ネイティブが関わっていることになる。(p.13)
と言ってしまうのは、ちょっと誤解を招くかも。でも世界中のあらゆるコミュニケーションにおいて、英語ネイティブ同士のコミュニケーションが多数派ではない、ことは容易に想像できますし、その一例としてこういうデータがでてくると、なるほどね、とは思います。

そして、トリビア的に面白かったのは、フランス語が1918年まで数百年もの間、ヨーロッパの上流階級の言葉(共通語)だった、というお話。ちなみに、この本の著者二人はフランス語圏の人です。フランス語のプライドを感じる一節。

さて、第二章はというと、世界共通語についての試みの例として、「エスペラント」を紹介しています。現在エスペラントを話せる人は約300万人だそうで、こうした人たちの中には、英語を使ってグロービッシュを非難する人もいるけど、非難するのに「英語」を使ってる時点で、エスペラントは機能していない、とばっさり。で、グロービッシュの出番だそうですが、どうなんだろう?

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