2013年3月20日水曜日

グロービッシュはなぜ1500語なのか? Why they chose 1500 words as globish words?

グロービッシュの特徴でやっぱり一番気になるのは基本1500語なところ。この"1500"という数字がどこから出てきたのか、『世界のグロービッシュ』第5章でその理由を知ることができたので紹介します。
専門家によると、ほとんどの英語ネイティブは、3,500語程度しか使っていないという。教養のある人はもっと多くの単語を知っているはずだが、それでも7,500語程度しか使っていない。高等教育を受けたネイティブでさえも、伝えたいことの80%は、豊富な語彙のわずか20%で話していることが証明されている。これは「パレートの法則」と呼ばれ、普遍的な法則の好例である。パレートの法則では、一般的に、結果の80%は20%の原因が生み出している、と言われている。

つまり、教養のあるネイティブの語彙数である7,500語の20%といえば…1,500語だ。ということは、1,500語あれば、伝えたいことの80%を表現でき、平均的なネイティブよりも上手に、そしておそらく教養あるネイティブと同程度のやりとりができるだろう。(p.45)
パレートの法則は言語にもあてはまる」+「教養あるネイティブの語彙数は7,500語程度である」= 「1,500語あれば、伝えたいことの80%は表現できる」というロジック。あまりのシンプルさにびっくりしました。

ちなみに、グロービッシュでは、1500語で表現できなかったこと(伝えたいことの20%)については、単語の代わりに定義を用いるそうです。具体的には、次の例が挙げられています。
「my nephew」(私の甥)は、非英語圏の多くの国では難しすぎるだろう。代わりに、「the son of my brother」(私の兄弟の息子)という。
この方法は大賛成!とにかく今頭の中にある単語で話さなければならない状況では、私もよく使っていた方法です。

ところで、グロービッシュを使うにあたっては、基本の1500語の他に、専門用語(特定の業界や産業に関連する単語; IT業界なら、webやsoftwareなど)を加える必要があるとし、さらにすでに国際的になっている単語(pizza, hotel, police, taxi, stop, restaurant, toilets, photo, など)を使うこと、また基本の1500語から派生した単語(例えば、careから派生して、careful, carefully, careless, carelessness, uncaring, caretakerなど)も含んでいるもよう。
元の単語と派生語を合計すると5,000を超えるグロービッシュの単語になることがわかる。(p.45)
とも書いてあります。

んー、グロービッシュに惹かれる人は、1500語という少なさが魅力なのではという気がしますが、これは基本の基本であって、あとは臨機応変にってこと?

ともあれ、グロービッシュにおいて重要なのは、語彙が豊富であるほどよい、というわけではないこと。「中庸(middle ground)」が強く推奨されています。
グロービッシュで「十分」であるが、それ以下では不十分だ。それ以上だと多すぎてしまい、あなたがより多くの英語を使うことで皆が理解できないかもしれない。(p.53)
たしかに、それはそうかも。中庸かあ…。

関連記事
グロービッシュ単語をロングマン英語コーパスで分析してみた。 An analysis of globish words with Longman's English corpus.
『世界のグロービッシュ』 をちょっとだけ読んでみた。I read a little bit of "Globish The World Over".



0 件のコメント :

コメントを投稿

関連記事 by LinkWithin

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...