その先生の授業は楽しくて、わたしはその先生が大好きだったために妙に熱心に英語を勉強してしまったのですが、今となってはその先生の英語の発音がどうだったのかまではさすがに覚えていません。
が、夢のなかの先生は、口を大きく開けてました。どちらかというと顔が長い先生だったのが、英語の授業の時はさらに長くなる瞬間がたくさんあったような、と、夢の中で記憶を確認したわたし。起きてから気がついたのですが、あれは、[ɑ] の発音だったのかも。
さて。松香洋子さんの『アメリカの子供が「英語を覚える」101の法則
この音も日本語にはない音です。この音とフォニックスルールにあてはまる練習単語、"pot"、"top"、"dot"を辞書で調べると、発音記号からして何通りかあって、当初わたしは混乱しました。例えば、weblioで"pot"を調べると、
口をたてに大きく開けて、息を口の奥に通すようにして「ア」と言ってみてください。すると「オ」とも「ア」ともつかない音が出ますね。それがOの短母音の音です。
この音はアメリカ人とイギリス人では音質が違いますが、「ア」のように言うとアメリカ式になります。(p.72)
/pάt(米国英語), pˈɔt(英国英語)/と、二通りの説明が。さらに、ロングマン英和辞典をチェックしてみると、
/pɑ:t ‖ pɔt/と、さらにもう一通りの発音方法が。
さらにさらに。いつも頼りにしている、BBC Learning EnglishのPronunciation Tipsの短母音(short vowels)のところをみてみると、 [ɑ] がないだけでなく、[ɔ]もない。一番近そうな音は、[ɒ]?
と、"pot"の"o"の発音の多様性に途方にくれそうになりつつ、そもそも母音の発音って、と、wikipediaの母音のところをチェックしてはじめて、[ɑ] と[ɔ]と[ɒ]の関係を頭で理解しました。
文章で簡単に書くと、[ɑ]と[ɔ]と[ɒ]は、舌の形が同じで、他の母音と比べると、後ろの舌の位置が高い。[ɔ]と[ɒ]は、唇を丸いカタチにするが、[ɑ]はそれほど唇を緊張させない。[ɔ]よりも、[ɑ]と[ɒ]のほうが口を開ける、となりますが、wikipediaの母音のページ右上の図で理解するのがわかりやすそうです。
と、なんとなく発音バリエーションを理解した上で、アメリカ式に[ɑ]の発音にするか、イギリス式に、[ɔ]あるいは[ɒ]の発音にするか、しばし悩みましたが、まずは[ɑ]を目指してみることに決め、『英語耳
口を勢いよく開けながら「ア」と声を出します。発音の最後は日本語の「ア」より1cmくらいあごが下がった状態になります。ほんの少しだけ「オ」の音がまじるようにすると、アメリカ英語らしく聞こえます。(p.62)とあります。松香さんの説明とあわせると、「ア」なの「オ」なの?と混乱しそうですが、要するに無理矢理日本語にするなら「ア」のような「オ」のような音ってことなのかも。
そして『英語耳』では発音のポイントとして次の二つを挙げてあります。
1.口を大きくあける口を大きく開けるのって苦手なんですけど、すこしずつやってみよっと。中学校のときのS先生の縦長の顔を目指しつつ…。
2.のどの奥で共鳴させる
関連リンク
非円唇後舌広母音 - Wikipedia
[ɑ]の発音を音でも確認できます。
[ɒ] - Pronunciation Tips - BBC Learning English
[ɒ]の発音についての動画です。唇が丸くなっているのがよくわかります。イギリス英語で、という方はこちらをどうぞ。
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松澤喜好『英語耳』
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