2013年10月19日土曜日

翻訳のこと on translation

たぶん20才ぐらいまではもうほんと、英語の授業の英文和訳がすごおく嫌いでした。いや、苦手といったほうがいいかもしれません。英語を日本語にしようとしてるのに、英語の構造にひっぱられちゃって、日本語のようなそうでないようなへんてこりんな文章になってしまうこと多々。

英会話も日本語で考えて英語にしよう、なんて思ってるうちはあんまりしゃべれなくて、日→英の回路というんでしょうか、日本語で考えて英語に直すっていうのを全くあきらめて、英語で物事を体験して、英語を聴き、英語を話す、っていう風に、英語な体験を重ねていくうちに、ある程度は話せるようになりましたし、英語でメールとか論文とか、書く方もできるようにすこしずつなっていきました。

しかしそれでもなお苦手だったのが、日本語と英語をいったりきたりすることで、自分で書いた日本語の小説をオーストラリア人の友達に手伝ってもらいながら英語に書き直してみたら、まったく別の小説になってしまう、だとか、英語で書いた論文を、博士論文の中にいれるために、日本語に直す、という作業をしようとしたら、内容は世界中の誰よりもわかってるはずだったのに(!)なかなか日本語になおせず苦労しました。

とまあ、翻訳が苦手なわたしは、翻訳文学も大人になってからはそんなに読まなかったのですが、唯一すうっと読めて大好きになった翻訳家さんと作家さんがいて、それは柴田元幸さん訳のポール・オースター(Paul Auster)の作品群でした。

オースターの小説は当時バイトしてた図書館にずらっと並んでいたので、順にどんどん借りて読んでリクエストもして(職権乱用?笑)『孤独の発明(The Invention of Solitude)』、『シティ・オブ・グラス(City of Glass)』、『幽霊たち(Ghosts)』『鍵のかかった部屋(The Locked Room)』、『最後の物たちの国で(In The Country of Last Things)』『ムーン・パレス(Moon Palace)』『偶然の音楽(The Music of Chance)』『リヴァイアサン(Leviathan)』と読んでいったところ、同じオースター作品でも何か明らかに違っていたのが、『シティ・オブ・グラス』で、なんで?とあらためて翻訳者の名前を確認すると、この本だけが、柴田元幸さんじゃない人の翻訳で、ここではじめてわたしは、翻訳者という裏方的なお仕事のチカラというか、影響力を感じたのでした(現在では柴田元幸訳で『ガラスの街』という本が出ています)。

そんな「翻訳家さんてすごいんだ!」と感じさせてくれた柴田元幸さんが新しい雑誌「MONKEY」を創刊、しかも特集は「青春のポール・オースター」(!)と知り早速入手。大事に読もう、オースターはわたしにとっても青春だあ、と思っていた矢先に、友達からのメールで、柴田元幸さんが絵本作家のきたむらさとしという人と金沢でトークショーをする!と知り、もううっきゃーな感じで、行ってきたのが先週の日曜日のこと。

トークショーは柴田さんによるきたむらさとし氏の作品紹介にはじまり、翻訳と文章から絵を描くことを比較するようなお話、柴田さんが物語を朗読して、きたむらさんが即興で絵を描き、その次は別の話を柴田さんが朗読して、参加者全員が絵を描き、それを最後に講評して、というなかなか刺激的な2時間でした。

トークの中で印象に残ったのは、柴田さんがいい翻訳、だと思うのは「いろんな読みの可能性をじゃましない訳」「多岐的な訳」「ニュートラルな訳」だ、という言葉でした。で、質疑応答の時間に、そういう翻訳をするには、どういう心構えでいたらいいのか、と質問してみたところ、「翻訳はボトムアップな仕事であり、何も考えない訳がいい。そのためには、文法的知識が必要」というような答えが返ってきました。

「無心」って、とても職人チック。そして今のわたしは英語を訳そうとすると、文法はもちろん、単語の意味もあーでもない、こーでもないと考えてしまうのですが、それってまだまだ翻訳の基礎体力がないってことなんだろうなあ、と理解。

そして、トーク後のサイン会には『翻訳教室』と『Monkey』を手にもって、どっちにサインしてもらおうか迷いながら臨んだところ、『Monkey』を見た柴田さんはなんだか嬉しそうで、かわいいサインをしてくれた後に、「誤植があるんだ」とぱぱっとp.30を開いて「<い」と書き込み、唖然とするわたしをみて、「乾くまで時間がかかるからね」とひとこと。

翻訳職人、なれるものならなってみたいです。そのためにも、言葉の基礎体力、しっかりつけよう。



東大の授業を書籍化したまさに「翻訳教室」体験ができる本。難しすぎて真ん中ぐらいで止まってしまってましたが、サインもいただいたことだし、がんばりたいと思います。ちなみに、柴田さんに「難しすぎます」と言ったら「すいません」と謝られました。笑

2013年10月6日日曜日

リヨンのネットカフェにて at an internet cafe in Lyon

近頃はよく、真珠のイヤリングをつけています。かなり前に母からもらったもので、約10年前、フランスのリヨンに滞在してた時もよくつけてました。

アクセサリーは自分を飾るものでもありますが、プレゼントされたものは時に、お守り的な役目を果たします。フランス語が流暢なわけでもないのに、ひとりであちこち動きまわって、初対面の人と話すこともたくさんあって、しかも面と向かって日本語を話す相手が全くいなかった当時のわたしにとって、母からのイヤリングは孤独をなぐさめてくれる何かでもありました。

と、大事につけていたイヤリングだったのですが、アパルトマンの近くのネットカフェで、ぽろっと真珠がとれてしまったことがあります。するとそれに気づいたカフェのマスターがなんと「なおしてあげるよ」と接着剤をとりだして、ちゃちゃっと器用に直してくれてしまい、嬉しいやら、ありがたいやら。もう心から"merci"な気持ちに。

それまではその場所に行っても、"bonjour! un café, s'il vous plaît."と"merci beaucoup."ぐらいしか話してなかったのが、そのことをきっかけにだだーっとマスターに話かけられるようになりました。しかし悲しいかなフランス語があんまり聴き取れないわたしはなんとなくしか話の内容が理解できず、無念。

この真珠のイヤリング、日本に帰ってきてからシルバーの部分をクリーニングをしていまだに使っています。たぶん、プレゼントされた時から数えると、通算で15年とか20年とかつけてるんじゃないかな?で、今はこれを眺めると、リヨンのネットカフェのマスターのことを思い出すのでした。残念ながら話はあんまりできなかったけど、イヤリングはあそこで一回修理されちゃったんだなあと。

そしてマスターの話を理解したかったのにわからなかったあの無念な感じ、今でもそしてこれからも、フランス語を学ぶ上でのいいモティベーションになってくれそう。

2013年10月3日木曜日

パリでは英語?それともフランス語? English or French, which language do you speak in Paris?

春と秋はNHKの語学番組の区切りの時期でもあって、新しい言語、はじめる方も多いのではないでしょうか?

わたしはといえば、秋の訪れとともにフランス語が気になり、ショコラのpodcastを聴いてみたり、NHKのテレビでフランス語を観てみたり、とゆるくはじめています。

フランスはこれまで計4ヶ月は滞在してたのに「英語もそこそこ通じるから英語でいいや…」と英語を話してくれる人には英語を話してもらってなんとか生活してました。約10年ほど前のことですが、一応、観光都市でもあるリヨンにいたので、それほど不便はなく、唯一困るのは食材の買い出しの時で、スーパーでラベルを見て食材を選んだり、マルシェで注文するときには事前にフランス語名を調べてメモを作ったりなどしていました。

そんな中、パリにも数回行ってみたのですが、さすが首都なだけあって、リヨン以上に英語が通じるし、日本人もいるし、ここだとフランス語要らないよね、という気持ちに。しかし、重要な待ち合わせの前に地下鉄を乗り間違え、急遽タクシーをつかまえて、「大急ぎでお願いします!」と運転手さんにも、何の迷いもなく英語で話しかけていたら、言われちゃいました。「せっかくフランスにいるんだから、フランス語を話しなさい。」

「えー、でもフランス語下手なんです!」と主張してみたのですが、なんだか運転手さんのペースにのせられて会話をフランス語にスイッチ。すると、あれれ、わたしフランス語話してるよ、ん、思ってたより話せるのかしら?という不思議な境地に。ちょっと恥ずかしそうに、その運転手さんはお子さんが実は北米に住んでる、なんていう話までしてくれて、あ、だからこの人は英語とフランス語のバランスが絶妙なんだなあ、と思ったのでした。

その時の行き先はフランスの日本大使館。パリの凱旋門近くにあります。凱旋門は有名な観光地だったりしますが、わたしにとってはあのタクシーの運転手さんと話をしてた時にみえた景色。以来、写真などで凱旋門をみるたびに、あの運転手さんのことを思い出して「フランスではフランス語で。」と思います。

フランスにもグローバル化の波が押し寄せて、以前よりも英語を話す人、きっと多くなってると思いますが、だからこそ、またフランスに行ったらすこしでもフランス語、話せたらいいな。

2013年9月27日金曜日

イタリア人は手で話す? Do Italians talk with hands?

最近、家での珈琲、特に朝の一杯目の珈琲を丁寧めに淹れるようになりました。たった一杯でも丁寧に淹れると味も香りも違うし、お湯を沸かす瞬間からちょっとした目覚めの儀式みたいになってます。

そんな中、よく思い出すのが、約20年前、イギリス、オックスフォードのとある語学学校の女子寮に滞在してた頃の日曜日の朝の時間。学校は休みなので、各自思い思いの時間に起きて来てくるのですが、たいていドイツ人とドイツ系スイス人は早起き。その次はイタリア人、その後がスペインとフランス人だったかな?たぶん、10人以上いたはずですが、キッチンをシェアしてても混雑が起きることはなく、だいたい同じ時間帯は同じメンバーで珈琲をすすりながらおしゃべりしてました。

で、ほとんどの人がキッチンに置いてあったインスタント珈琲を飲む中、イタリア人の女性だけは、必ずエスプレッソメーカーを使ってました。当時のヨーロッパは不景気(recession)で、女子寮の学生たちもみんななるべく自炊して倹約し、英語を学んでいたわけですが、彼女にとってはこの朝の珈琲はゆずれないもの、人権に等しかったのかも。と、保留コーヒーのことを知った今は思います。

そしてこのイタリア人女性は、ほんと、会話上手で、日曜日の朝にキッチンで彼女の話をきいて、涙が出るほど笑ったのを覚えてます。彼女はボキャブラリーが豊富なわけでも、英語が上手なわけではなく、学校のクラスも、初級に近いレベルに分類されてましたけど、彼女が話だすと何かパーッと話の景色がみえて、それをその場のみんなが共有して大笑い。

イタリア人は手で話すってきいたことありますけど、たしかに彼女は手を使い、というかもう、身体全体で話してました。そしてさらに声が明るくて、と、あの日曜の朝の時間はわたしにとって、かけがえのない思い出になってます。

そして、あの女子寮のことを思い出すと、世界の人々とコミュニケーションするのに必要なのは語学力だけじゃないんだなあ、としみじみ思います。だって、あそこにいた様々な国の人たちの英語は英語としては不完全だったわけで。それでも一緒に生活できてたし、たくさん話をしたし、仲良くなっていい時間を過ごせたし。

当時のわたしは「英語はイギリス人から学ばないと!」なんて固定観念にしばられてましたけど、世界の共通語として英語を選ぶような場合はむしろ、イタリア人の陽気さや手の動き、スペイン人の歌、ブラジル人の踊り、ドイツ人やスイス人の几帳面さ、アフリカ人のおおらかさ、などなど、多様性とセットになった環境で英語を学べたのがなんとも貴重な経験でした。

ちなみに日本人であるわたしはというと、あのキッチンではもっぱら聞き役でした。でもそういえば、親子どんぶりを作って食べてたらみんながよってきて、いい香りだね、美味しいね、って食べてたような記憶が。日本人はというか少なくともわたしの場合、会話そのものよりも、何か作っちゃってコミュニュケーションするタイプなのかもしれません。

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2013年9月24日火曜日

サルの通訳さん a interpreter of monkeys

以前、心理学の研究室にいたとき、イギリス人の研究者さんとよく話す機会がありました。同じ心理学でもわたしは人間を専門にしていたのに対し、その人は動物の心理を専門にしていて、特にサルの研究ではたぶん、世界的権威みたいな人だったはずですが、ちっとも偉そうではなく、わたしの実験の被験者までしてくれたり、と親切な方でした。

サルに詳しいその人は、とある映画でサル専門の通訳としてよばれたこともある、なんて話もしていました。その時は単になるほどさすが専門家!と思って聞いていましたが、今思うと、サルはサルで、いろんな鳴き方や行動パターンがあって独特のコミュニケーションの仕方があって、そこをその人はよく知っていたんだろうなあ、と想像します。

イギリスの人で母国語は英語なその方、フランスにもよく行っていて、フランス語も堪能でした。で、日本語はというと、時々びっくりするぐらいスバラシイ発音ながら、あんまり話してるのは聞いたことがありません。でもなぜか、研究室にとけこみ、他の大学院生たちともばっちりコミュニケーションしてるようにみえて、すごいな、と思い、「日本語は難しくないですか?」と訊いたところ、「人間同士だから大丈夫ですよ。顔みてればわかります。」のような答えが返ってきて、ますます尊敬。

そしてたまたまかもしれませんが、同じ研究室内でも動物心理学部門の先生や学生たちって、コミュニケーションに寛容というか、言葉にたよりすぎないというか、非言語コミュニケーションが上手な人たちが多いのかも、とも思ったのでした。

ちなみに、その人に言語学習のコツをきいてみたところ、「ラジオよりテレビのほうがいいですね。顔がみえるから。」と言ってた記憶が。これは言語学習というより、異文化あるいは異種間コミュニケーションのコツといったほうがいいかもしれません。コミュニケーションは言葉だけじゃないし、むしろ言葉以外が重要なこともあるわけで。

そして今、猫と暮らしているわたしは毎朝、NHKBSプレミアムの岩合光昭の世界ネコ歩きminiをみて、猫に対する理解を深めています。特に「猫識」のコーナーが勉強になります。

もっとわかりたいな、猫語。で、猫に学ぶことってきっと、多いんだろうな。

2013年9月21日土曜日

けれどもさんの思い出 a memoir of M. Keredomo

ひさびさの更新になります。この夏は机の上を離れてみて怒濤の体験をしました。能登のとあるカフェのお仕事をすこおしお手伝いさせていただいただけなのですが、わたしの中のふるさと探訪というか、ディスカバー・地元というか、なにかのスイッチが完全にオンになってしまい、そんな自分にふらふらになりました( -e-)

もともと文化が交わるような場所が好きなんだと思いますが、そのカフェはわたしにとってまさにそういう場所で、妙な引力にとまどいつつ、さらには夏の暑さが加わってオーバー・ヒート状態。秋の気配を感じる今、すこおし落ち着いてきましたが、もう淡々とTOEICの受験勉強をしてた頃には戻れなさそうです。

と、ローカルな集中力を使いはじめて、新聞やテレビの情報をほとんど頭にいれられない状態な中、気になっているのは、2015年(平成26年度末)に予定されている北陸新幹線の開業と2020年の東京オリンピック。何が起こるのかはわかりませんが、人の流れは相当変わるだろうし、そうなった時に必要とされるスキルってなんだろう、とぼんやり考えています。

そして今、なぜかしみじみと最近思い出すのは、わたしが小学生の時、うちにホームステイしていったフランス人のこと。かれこれ30年前とかになるのかな…。日本語が堪能で、かならず「けれどもー!」から話をはじめるその人のことを、わたしと弟は「けれどもさん」と呼んでいました。

本当は近所の別の家にホームステイするはずだった、けれどもさん。残念ながらそのご家族は彼とのコミュニケーションがうまくいかず、うちの母に助けを求め、そして急遽うちに滞在したようです。心の準備がなかったわたしと弟は、人見知りとはじめて見る西洋の人がこわくて、ほとんど彼と話せませんでした。

そう、けれどもさんは「日本語」を話していた、そこはなんとなく記憶に残ってます。でも母とけれどもさんのコミュニケーションもいまひとつだったようで、子供ながらにそれを感じたわたしは、けれどもさんのためにクレープを焼きました。で、けれどもさんはすごく喜んで食べてくれて、その笑顔が嬉しかった、かすかな記憶があります。

この遠い記憶から思うのは、日本に来る外国の人は「日本語」を話す可能性があるということ。もしかしたら今、オリンピック東京開催に向けて、日本語を学びはじめる外国の方がいるかもしれません。そして「日本語」だからこそ、コミュニケーションが難しく感じられることがあるかもしれないということ。母国語はやっぱり独特の響きを持つと思うので。

また、同時に、国際語というか、世界の共通語的何か、がますます重要になる気がします。現時点でわたしが気になるのは英語の進化形?である、plain EnglishやGlobish。あと個人的には何かとご縁があるフランス語を少々。

でもコミュニケーションはもちろん言語だけじゃないわけで。時には一枚の写真が、一杯の珈琲が、多くを語ること、あるんだろうなあ…。

追記: FBページ、作ってみました。内容についてはまだ試行錯誤中ですが、とりあえずブログを更新したら、FBでチェックできるようにしていく予定です。 https://www.facebook.com/studylanguagesathome

2013年8月2日金曜日

おとなの基礎英語、ベトナム編スタート!

今年の4月から軽い気持ちで観ていた語学番組、オトキソこと「おとなの基礎英語」。気がつけば8月になってますが、今も熱心に観てます。

恥ずかしながら、NHKの語学番組をこれだけ熱心に観るのははじめてのこと。これまではたいてい、春のうちはテキストも買ってやる気いっぱいだけど、1、2ヶ月で脱落する、というパターンがほとんどでした。

なので、オトキソももしかして途中脱落するかもと、春のうちはテキストなしでただ観てたのですが、だんだん深く学びたくなってしまい、今月はとうとうテキストも購入。ただ観るだけじゃなく、シャドウイングもしようかなあとか、やさしくて使える(グロービッシュ的)英語表現集としてこのテキストは保存版だなあ、とか、テキストも使った学習法をあれこれ考えています。

この番組の魅力は多々ありますが、特に嬉しいのはミニドラマの主人公、美佳が様々な国を旅していること。おかげで、ミニドラマではそれぞれの国の英語が聴けます。今年度だけでも、ニュージーランド、マレーシア、そして今月はベトナムの英語が聴けて新鮮というか、ためになります。またもちろん旅気分も味わえるのも嬉しく、今週はベトナムの食べ物って美味しそうだなあ♪と思いつつ観てました。

さらに、ミニドラマでは、美佳のお姉さん、カオリの事務所で働く"Lan"ちゃんの声がハスキーで英語の発音もエキゾチック。ベトナム語ってどんな音なんだろう、と興味が湧きました。

また、ミニドラマのストーリーとして要注目だったのは、主人公の美佳がお姉さんの仕事を手伝うと決めたこと。いわゆるオフィス英語とはちょっと違うかもしれませんが、単なる友達ではなく、仕事場で使う英語が聴けるのは個人的にとても嬉しいです。

ところで、今週の"Phrase of the Day"で気になったというか、旅行ガイドに限らず、外国の人の接待などでもすごおく大事!と思ったのは、次の表現。
Are you allergic to anything? 何かにアレルギーはありますか?
ちなみに、わたしのようにエビとカニアレルギーの気がある人だったら、"I'm allergic to shrimp and crabs."と答えることになるわけで。ん、そういえば、山芋とメロンも舌や口が痒くなるし、ってことは、"I'm also allergic to (Japanese) yams and melons."かな。

NHK テレビ おとなの基礎英語 2013年 08月号 [雑誌]

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テレビで語学2:NHKおとなの基礎英語が面白い。 studying languages with TV 2 : i really enjoy the TV program of NHK, "otona no kisoeigo"

2013年7月24日水曜日

第181回TOEICのテスト結果、詳細版 the detailed results of the 181st TOEIC test

先月受けた第181回TOEICの成績表が、一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会から届きました。で、開けてみて、じぇじぇ!(← 使ってみたかったw)旧TOEICの"OFFICIAL SCORE CERTIFICATE"に比べると、情報と日本語がたっぷりです。

全体のスコアは既にネットで確認してましたが、今回届いたのはそれに顔写真とわたしのサインがついてるだけのものではありませんでした。リーディング、リスニングそれぞれについて、そのスコアを持つ受験者は(国際コミュニケーションにおいて?)だいたいどういう長所と短所があるのか、こと細かに日本語、しかも、とっても英文和訳的な日本語でぎっしり解説してあります。この部分(Score Descriptors)は、受験者にとってよりも、受験者を仕事で採用する人にはとても便利そう。

さらには、Abilities Measured(項目別正答率)というセクションで、成績をさらに分析した結果が示されています。自分の正答率が各項目(リスニング4項目、リーディング5項目)についてどれだけで、さらにはそれを受験者平均と比較することができます。そうすることで、自分の得意な部分や苦手な部分を、TOEICテストとの関係で把握できる、というわけ。ちなみに、ここも基本的に日本語です。

このAbilities Measuredを見てしまうと、なんだか具体的にスコアアップできるかも、よし、攻略してみよう!と、いう気になる人も少なくないのでは。もしTOEICテストの結果と「国際コミュニケーションに必要とされる英語力」とがぴったり一致してるなら、これに応じて弱点強化したり、長所を生かせる仕事を模索できるわけで、受験者にとって、とても便利です。

で、わたしの弱点項目はというと、正答率も平均値との近さからいっても、リーディングでの文法のよう。一方、高得点でかつ、平均値からも離れているのは、長文読解力というのでしょうか、「ひとつの文書の中でまたは複数の文書間でちりばめられた情報を関連付けることができる」という部分でした。んー、これは結構自分の英語への実感とあってます。文法よりも言葉の組み合わせ、そして内容でえいやっと理解してるところが大きいので。

ということは、とにかくTOEICのスコアアップを狙うなら、文法強化!となるわけで、『英語教材完全ガイド 』にしたがって『新TOEIC TEST 文法特急2 急所アタック編』などで対策をってことになるのでしょうが、正直あと一年はTOEICはいいや、という気分。

今回の受験でわたしが何より痛感したのは体力のなさ。受験勉強はじめたら目と肩に疲れが。治ったと思ったら、試験直前に熱が。さらには受験に集中するあまり、机べったりになって日常のコミュニケーション(人間はもちろん、動植物もろもろとの)がおろそかになってました。

国際コミュニケーションと関連した仕事をするなら、体力、気力、はもちろん、非言語コミュニケーションも大切。この夏は朝ヨガしたり、食に気をつけたりしつつ、コミュニケーションを大事にして英語の使い道を探るつもりです :)

関連リンク
第181回TOEICの受験結果 the result of the 181st TOEIC test

2013年7月18日木曜日

はじめてのチェコ語 First time trying to read Czech

TOEICの結果もわかった解放感の中、ぼおーっとしていたわたしのもとに、いとこからのチェコみやげが届きました。お菓子とお茶各種、そしてアロマ製品な感じの瓶。

瓶以外は見るだけで何かわかりますし、説明も何カ国語かで書いてあって英語の説明もありました。しかしこの瓶はどうも、わたしの知らない言語のみ。ラベルには、大きな文字で"MAGNÓLIE"とあり、花の香りがします。これって、精油?それともアロマオイル?(精油のブレンドや精油を希釈したもの)。

お礼をかねていとこに電話してみると「お風呂にいれるといいよ」というあっさりした解説でした。たしかにいい香りだけど、何の香り?"MAGNÓLIE"は"magnolia(英語でモクレン)"と似てるからモクレンかなあ?と、こんな時はそう、Google翻訳さんの出番です。

で、早速"MAGNÓLIE"を翻訳にかけると、自動検出では言語がポルトガル語になって、日本語訳が「マグノ」。いや、それは違うだろうと、言語をチェコ語にしてみると、日本語ではカタカナで「マグノリア」、英語では"magnolia"という翻訳結果がでました。ということで、これはモクレンだよね、と納得。

さらに、ラベルの後ろにもチェコ語らしきものでなにか書いてあるので、とりあえずアルファベットで上に点やらなにやらがつくのを省略して入力してみました。
Vonny olej vhodny do aromalampy a na potpouri. Koncentrovany product. Chrante pred detmi a primym stykem s ocima a kuzi.
すると、自動検出ではスロバキア語になったので、チェコ語になおして日本語へ自動翻訳してみると、
エッセンシャルオイルは、アロマランプやポプリに適しています。濃縮された製品。子供や皮膚や目に直接接触から遠ざけること。
日本語としてはちょっと変だけど、十分意味はわかるし、いかにも精油(エッセンシャルオイル)のラベルに書いてありそうな文章です。ありがとう、Google翻訳!

ちなみに、英語に自動翻訳してみると、
Essential oils are suited to the aroma lamps and potpourri. Concentrated product. Keep away from children and direct contact with skin and eyes.
日本語よりきれいにまとまった気が。やっぱりヨーロッパの言語は直接日本語に訳すより、英語を経由したほうがいいのかも。

ところでこのモクレンというかマグノリアの香りって、香水で嗅いだことがあるような、どれだっけ?と調べてたら、ランコムのミラク(miracle)でした。2001年当時、相当愛用してたせいか、マグノリアの精油を嗅ぐと、ミラクの香りがふわっとフラッシュバックするような。

関連リンク
香水情報|マグノリア

2013年7月17日水曜日

第181回TOEICの受験結果 the result of the 181st TOEIC test

先月受けたTOEICの結果がインターネット上で確認できるようになりました。で、結果はというと、

885点(Listening 475点、Reading 410点)

でした。今回の目標は前回(825点)よりも高い得点をとることだったので、ひとまず目標達成です。やったー! ヽ(*>∇<)ノ

ちなみに、前回、18年前に受けた旧TOEICの結果は、

825点(Listening 435点, Reading 390点)

でした。当時は英会話学校に通ったり、英語圏の友達とランゲージ・エクスチェンジしたり、英語をとにかく話したり書いたり使って学ぼう!をたっぷりやっていた頃だったので、全くといっていいほど英語をアウトプットしない今、18年前より高い点数がとれたのは自分でも驚きです。

でも今回受けたTOEICは、リスニングとリーディングといった、いわば「受け身な英語」に特化したテストなので、その受け身スタイルでテスト直前の数ヶ月感、受験勉強したのがよかったのかもしれません。

といっても、もう何年も前にはなりますが、英語で仕事した経験も役には立って、特に英文メールは自分でも何度も書いて慣れていた、というのも得点アップにつながったんじゃないかと思います。

一方で、英語がラクにたくさん聴けたり読めたりするっていうのは、TOEICスコアだと満点に近いところにあるんだろうなあ、というのも実感。いつかその境地を経験してみたいですけど、そのためにも今は英語の基礎の基礎である『英語耳』のトレーニングを続ける予定です。

今は思うところあって、独学で英語やってますけど、正直語学で面白いのは修行のように読んだり聴くだけではなくて、話したり書いたりもして言葉の壁を超えること。

そして英語の場合、いろんな国の人とコミュニケーションできる可能性があるのが魅力ですし、例えば特定の分野で何年も自分と同じようなことをやってきた人と英語で盛り上がったり、他の国の人と話すことで日常のなにげない事柄をこれまでなかった視点でみれるようになる、というのは本当に楽しいし面白いです。

ところで昨日ふと、「TOEICを知らない人にこのテスト結果を点数だけで伝えたところでなんのこっちゃ、だなあ」と思い、自分でもTOEICの正式名称忘れてたので恥ずかしながら再チェックしてみました。TOEICというのは、"Test of English for International Communication"の略で、日本語の正式名称は、「国際コミュニケーション英語能力テスト」。

で、TOEIC SQUAREによれば、860点はセミプロレベル
「翻訳者、通訳者など英語を使った仕事をプロとして選びたい」という方は、まずはこの辺が最低限の目標になるでしょう。TOEICスコア860点はプロレベルというより、セミプロレベルです。“英語を学ぶというより、英語で学ぶレベル”と考え、英語を大量にINPUT・OUTPUTすることが大切です。
と、950点がプロ通訳者レベル
プロの通訳者でTOEICスコア950点以下の通訳者はほとんどいません。このレベルはプロになるための本格的トレーニングを開始するレベルです。TOEICスコア950点はプロへの第一歩といえそうです。プロを目指さない方にとっては、“書く英語”の仕上げに入るレベルと言っていいでしょう。
だそう。

というわけで、885点というのは、翻訳者・通訳者など、英語についての言葉の職人さん見習い(・e・)なポジション、になるよう。ふむふむ。

2013年7月16日火曜日

歌で語学学習 learning languages with songs

わたしが洋楽というか、英語の歌を聴きはじめたのは中学生になってからで、たしか"Footloose"という映画のサウンドトラック が最初でした。友達にレコード(そう、時代はまだレコード!)を借りてテープに録音し(う、この表現もひさしぶり。w)何度も聴いたのを覚えています。当時は英語も習い始めだったし、英語の音がとにかく新鮮で、歌も完全に楽器のひとつとして楽しんでました。

その後、いくら英語を学んでも「歌詞の意味を理解したい」とはほとんど思ったことがないような。日本語の歌も嫌いではありませんが、BGMとして聴こうとすると歌詞が思いというか、言葉がわかることが逆に邪魔だと思うほうで、楽器のみか動物の声(イルカとか鳥とか)、あるいは全く知らない言語の歌が結構好きだったりします。

そんななか、ながらく英語は「中途半端に意味がわかるようなわからないような」位置にあったのですが、『英語耳』の学習法、"Parrot's Law"をはじめてみることにしたので、もしかしたらわたしの脳に占める、英語の歌のボジション、よくもわるくも変わってしまうかもしれません。

と、はじめてまだ一日にして、今までとなんだか違う感があるこの"Parrot's Law"というのは、鳥のオウムが人間の言葉を覚えるための訓練にちなんだものだそう。
オウムがはじめて人間の言葉(たとえば「おはよう」)を覚えるには、約2000回繰り返してその言葉を聞かせる必要があります。すると、オウムの脳の中に新しい音に反応する領域ができるのです。1つ目の単語が言えるようになったオウムは、次の単語は200回の練習で覚えてしまいます。さらに繰り返すことにより、人間の言葉に反応する能力がどんどん進化します。(p.104)
というわけで、人間も何度も繰り返して聴いてみよう!というのと、『英語耳』の著者の松澤喜好さんの洋楽から英語の発音を覚えた体験から生まれたこのメソッド、さらに松澤さんのサイトで公開され参加して練習した人の意見、松澤さんが大学で学生を指導した経験が反映されて今日にいたるそうです。

単に聴くだけではないのですが、このメソッドではとにかく同じ曲を約300回聴くことになります。聴くだけなら発音バイエル練習中の今でもできるし、と、昨日、曲を選んで聴いてみました。

わたしが選んだのは、Norah Jonesの"Shoot the moon"という曲。歌詞の意味を知らず、メロディとかギターとかピアノとかNorah Jonesの歌い方で選んで、まずただ10回聴いてみました。

"Parrot's Low"では本来はじめは約100回ただ聴く、のですが、10回ぐらいから「ん、夏の終わりのせつない歌みたいだけど、これを夏まっただなかの今に聴くのってどうなんだろう?」と歌詞が知りたくなって我慢ができず、ネットで歌詞をチェック。歌詞をチェックしたらもう、歌いたくなってしまい、そのまま10回ほど一緒に歌ってしまいました。

といっても、舌はまわらず、音ははずれる、いやまず、発音が違うよ、うんあー、ちがうちがう、をかなり実感した後、猫の散歩に出かけてさらに10〜15回ほど聴いてみたところ、聴こえ方がはじめとは違ってきてるのを体験。例えば、ここは"to each"だったはず、と思いつつ、"reach"みたいに聴こえるなあ、とか、この"it was"の"i"の音ってやわらかいし甘い。あー、たしかに[e]に近い音かも、とか、一回一回が発見の連続なのでした。

歌詞の意味も当然気になって、いくつも訳例をみたものの、どれも気に入らず。300回終わる頃になったら、自分なりの訳というか、意味理解をつくろう、という気持ちになりました。

と、昨日だけで30回も聴けたのはやっぱり歌だからだなあ、歌ってすごいね、としみじみ。発音バイエルは、本の付属CDの音声を聴きながら練習してますが、あの単調な内容だと一日に何回もは聴けませんし、まして一緒に発音しながら何回も、というのは無理。その点歌は自然に何度も聴けて、歌以外の音も楽しめます。

『英語耳』では発音バイエルも2〜 3ヶ月月かけて100回繰り返すと効果が高くなるそうですが、そこまでモチベーションを維持するには、英語で歌いたいたい、って気持ちが効くかもしれません。

"Shoot the moon"は秋から冬にかけての歌。夏の終わりを目指してがんばります :)

Come Away With Me Come Away With Me - Norah Jones

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松澤喜好『英語耳』

2013年7月15日月曜日

[iː]の発音 pronunciation of [iː]

English Pronunciation in Use Elementary Book with Answers, 5 Audio CDs and CD-ROM
英語耳』の発音バイエルの進行状況はというと、今日で10日目になりました。省エネ型の[r]の発音方法を覚えたとはいえ、やっぱり舌は筋肉痛気味です。

そしてやっと、英語の個々の音の「発音フォーム」を全て確認するにいたりました。水泳に例えていえば(大人になってから習いにいったスポーツです ^^;)、バタ足と、手だけで泳ぐ練習をして水の抵抗を思いっきり味わったような感じ。

水泳だと、個々のフォーム練習の次はバタ足と、手の動きを組み合わせての練習に入りましたが、発音バイエルも個々の音を練習した後は、それらを組み合わせた場合の練習、音声変化編に入ることになってます。単語ひとつの発音ならはっきりしていた音が、単語いくつかのフレーズになるとつながったり消えたり変化。と、あらたな「省エネ発音法」を学んでるような感じです。

以前仕事でとにかく英語を使いまくってたときは、とてもこんな風に分解してじっくり取り組む余裕はなかったせいか、なんだかとても新鮮です。逆にこれ、今とにかく英語を使わなくちゃいけない人がやると、口や舌の動きを意識しすぎるようになって話せなくなる場合もあるかも。というか、ここまでやらなくても、英語のある環境にある人の英語はそれなりに通じるはず。

と、思いながらも「英語耳」っていう境地があるのかしらん、と、現在、ネットやテレビ以外では英語のない環境にいるわたしは、一種のリハビリ的に発音バイエルに取り組んでいるわけですが…、と前置きが長くなりました。今回は、[iː]の発音についてすこし書きたいと思います。

英語の短母音[i]長母音の[iː]。これまでわたしはこの二つの音を、どちらも「日本語の「イ」より口を横に伸ばして発音する」とだけ思って発音してきたのですが、どうやらそうではないようです。そしてこの二つの違いは、音の長さの違い(名前も、母音と母音だし)だけだ、と思ってましたが、それも違うよう。

アメリカの子供が「英語を覚える」101の法則 』では、[iː]は"eve"などサイレント"e"で終わる単語(やシラブル)の語頭の"e"の音として、次のように説明されています。
 eのアルファベットの読み方は「イー」です。日本の子供たちはにくまれ口をきく時に、「イーだ」などと言うものですが、だいたいその要領でよいわけです。口の前の一番高い位置で出す音です。
 この「イー」の音を言ってから、もう少し低くて、少々奥に入ったところで「イ」と言うと短母音のiになります。(p.114)
この説明をはじめて読んだ時は、「口の前の一番高い位置」と「もう少し低くて、少々奥に入ったところ」というのが何のことなのかよくわからないなあ、と思っていたのですが、どうやらこれは、舌の位置のことを言っているよう。日本語の「イーだ!」の「イー」をやってみると、自然に舌の前のほうが口腔の上部と近くなり、高く感じられますが、ぎゅっと横にひろげた唇の緊張をゆるめると、舌は自然に口腔の上部から離れて、低く感じられるような。

『英語耳』では、[iː]と[i]と[e]は似た音としてひとまとめにして説明されています。図がないとわかりにくいかもしれませんが、[iː]と[i]について引用すると、
 [iː]は、口を一番閉じ気味にした状態で上図のように発音します。唇を横にキュッとひっぱってください。子供が「イーだ!」という時の声にかなり近いです。口の開きはそれよりもやや小さくなります。
 [i]の口は、図の右上の状態です。日本語の「イ」から「エ」の中間くらいの口の開け方です。「イ」が50%、「エ」が50%くらいの中間的な音です。
 (p.70)
とにかくわかりにくいのですが、ここで重要なのはたぶん、[i]が日本語の「イ」と「エ」の中間くらいの音だと言ってること。

例によって、BBC Learning EnglishのPronunciation Tipsの動画で、[i]の音([I]とも表記されます)をチェックしてみると、[i]の発音の時の口は左右だけでなく上下にもそこそこ開いていることがわかります。

また、動画の後半部分で[i]と[iː]との比較が出て来るのですが、この二つは音の長さが違うだけではなくて、口の形も微妙に違っていることがわかります。[i]と比べると、[iː]は横長で上下にせまく、舌もちらっと見えるような。

さらに、[e]の動画(後半に[i]との比較がでてきます)を観てみると、[i]に比べてかなり口が上下に開いているのがはっきりわかります。つまり、上下の開き具合を比べると、

[iː] < [i] < [e]

一方で、左右の開き具合はというと、

[iː] > [i] > [e]

な感じ。

口の開き具合は別として、ちょっと面白かったのは、『英語耳』では、[i:]と[i]の違いを、かたい音(tense)とやわらかい音(lax)という音色の違いとしても表現してあったこと。

BBCなどの発音を聴いてもいまひとつぴんと来ないのですが、自分でも発音しなれる頃にはこの違い、わかるのかも。

関連記事
サイレント"e"で終わる音節や単語のフォニックスルール phonics rules for a syllable or word ends with a silent "e"
松澤喜好『英語耳』

2013年7月14日日曜日

サイレント"e"で終わる音節や単語のフォニックスルール phonics rules for a syllable or word ends with a silent "e"

先月、TOEICの勉強のかたわらフォニックスをざっと学んでいた際、一番面白い!と思ったフォニックスルールを今日は紹介します。子供だったら、英語の文字の音の「変身の術」を知ってわくわくするかも、なルールです :)

例えば、"hat"という単語の中の母音字、"a"の音は[æ]です。フォニックスでは基本、"a"があったら、[æ]と発音する、と覚えます。

がもちろんこのルールが当てはまらない場合もあります。例えば、"hate"という単語の中の母音字、"a"は[ei]と発音します。この場合、単語の終わりの"e"は発音しません。

今日のフォニックスルールはこのように、単語(より正確にいえば音節)の終わりが"e"の場合、"e"は発音せず、子音字の前の母音字は、アルファベット読みの長母音となる、というものです。

より具体的には次のようになります。

番号 文字 キーワード 発音記号 練習単語
29
a-ecake[ei]gate game cake
30
e-eeve[iː]Steve Pete
31
i-eice[ai]bike dive wine
32
o-erose[ou]hole rope rose
33
u-ecute[juː]cube June cute

上の表は『アメリカの子供が「英語を覚える」101の法則 』のp.108の表と、『英語耳』のp.179のフォニックスの母音字のルールを参考にして作成しました。わかりやすいように、キーワードや単語は一音節のものを用いてあります。

ちなみに、語尾の"e"は「サイレント"e"(silent "e")」とよばれるそうです。

松香洋子さんの本には、"hat"と"hate"以外にも、母音字の発音の変身ぶりを感じられる例が挙げられています。例えば、"a"だと、
cap(帽子)⋯⋯⋯⋯⋯cape(マント)
rat(ねずみ)⋯⋯⋯⋯rate(割合)
fat(太った)⋯⋯⋯⋯fate(運命)
"e"については例が少ないそうで、ひとつだけですが、
pet(ペット)⋯⋯⋯⋯Pete(男の名)
"i"については、
pin(ピン)⋯⋯⋯⋯⋯pine(松)
bit(少々)⋯⋯⋯⋯⋯bite(かむ)
win(勝つ)⋯⋯⋯⋯⋯wine(ぶどう酒)
"o"については、
not(〜ではない)⋯⋯note(メモ)
ton(〜トン)⋯⋯⋯⋯tone(調子)
hop(はねる)⋯⋯⋯⋯hope(望む)
"u"については、
cut(切る)⋯⋯⋯⋯⋯cute(かわいい)
tub(ふろおけ)⋯⋯⋯tube(チューブ)
などなど。

意味からすると、全く関係のない単語ペアたちをこうして眺めるのはかなり面白く、このルールを知ってからしばらくは、英文を読んでも聴いても単語の綴りが気になるというか、書き出してはたのしむ日々が続いています。

で、発音バイエルもはじめた今は、長母音の発音に取組みはじめました。以前は長母音は長くのばす、あるいは二つの音を単に連結させる、ように認識していたのですが、松香洋子さんの本や『英語耳』には、長母音はそう単純じゃない、ということがかなり強調して書いてあったので、目下練習中というか筋トレ中。笑

それについては、また次の記事に書きたいと思います。

関連記事
短母音のフォニックスルール phonics rules for short vowels
フォニックス学習iOSアプリ、Simplex Spelling Phonics 1 Simplex Spelling Phonics, an iOS app for learning phonics
フォニックス phonics

2013年7月13日土曜日

コーヒーは基本的人権? Is coffee a basic human right?

今週、フジテレビのドラマ、「Oh,My Dad!!」を観ていたら、「日本でも保留コーヒー(café sospeso, suspended coffee)があったらいいのに!でも、ちょっと難しいところもありそう」という場面がありました。

織田裕二演じる主人公、新海元一は、自分の研究と過去の栄光にしがみつくあまり、現実が見えず、奥さんに逃げられ、アパートを追い出され、研究室にしていた建物も取り壊しになり、小さな子供と一緒にホームレス生活に。

子供がドーナツを食べたがってもドーナツをお金はなく…。そんな状況で、昔の知り合いとドーナツ屋さんのところで出会ったのですが、自分の窮状を隠したまま、子供にジュースだけ頼みます。知人が多めにドーナツを頼んでいたので、子供はドーナツをおすそ分けしてもらうのでした。

さて。もし保留コーヒーのシステムをこのドーナツ屋さんが導入していて、保留中のコーヒーがある場合、お金がなくても子供がドーナツを注文したり、主人公がコーヒーを頼んで、知人と一緒にテーブルにつくことができます。が、実際、この状況(突然お金も住むところもなくなった)で、保留コーヒー(あるいはドーナツ)を知り合いの前で注文できるかというと、そもそもお金がないことを微妙に隠してるこの主人公の場合、難しそう。こんな状況こそ、保留コーヒーの出番な気もするのですが

一方、そういえば、お金はないけど、こうした飲食店で何か食べる、という場合、日本だと、「食べる分、そこで働く(例えば、皿洗い)」っていうのが定番かも、と、昨日、TBSの「なるようになるさ。」を観てて思いました。

オープン直前のカフェレストランのスタッフとして集まってきたのは、DVから逃げてきた主婦、家出女子、外へ出たくなった引きこもり、の3人。ホームレス直前な状況のこの3人を世話好きな主人公夫婦は住み込みで雇うことになりそう。

脚本は、橋田壽賀子氏のこのドラマ、渡る世間は鬼ばかり、じゃなくて、渡る世間に仏あり、な感じ。日本だとこんなふうに、困った状況の人を助けるなら助けるで、徹底的に関わりたくなるのかも。それが大変だから、困った状況を隠したり、見てみぬふりをするのかなあ、とも思いました。

保留コーヒーについて、The saltのEU Embraces 'Suspended Coffee': Pay It Forward With A Cup Of Joeを読んでいたら、こんな一節がありました。
The prepaid cup of coffee has become a symbol of grass-roots social solidarity at a time of mounting poverty in what, until recently, were affluent Western societies.

But now, back to Naples, where coffee is not a luxury but is considered, more or less, a basic human right.
コーヒーは贅沢じゃなくて、基本的人権というのは、日本では単純にはあてはまらない気がします。コーヒーという飲み物をみんなが飲む訳じゃないというのもありますが、なによりカフェ文化というのでしょうか、家でも職場でもない場の生活に占める位置づけや、カフェという場そのものの社会的成熟度のようなものが、ナポリや他のヨーロッパ諸国と日本ではかなり違っていそう。

ちなみに、この記事によると、保留コーヒーはスペインでは、Cafes Pendientes("pending coffees")、フランスでは、cafe en attente("waiting coffee")というそう。言葉が近いので、もっとストレートな訳語にしてもいいのに、ちょっとひねってあるところが面白いです。

関連記事
保留コーヒー、支える珈琲、カフェ・ソスペーゾ? suspended coffee

2013年7月12日金曜日

英語の [r] の発音 pronunciation of [r] in English

英語耳』の発音バイエルをはじめて、約10日になりました。と、言いたいところですが、週末からずるずると4日休んでしまったので、今日で約一週間です。

4日休むと舌の筋肉痛もとれますが、せっかく身に付きはじめたフォームも崩れ、われながらぺったりした音に。言語、特に母国語は毎日話して、その積み重ねで筋肉が鍛えられるんだね、と、妙に納得しました。

と同時に、普段、口数が決して多くないわたしでも(たまに友達とわーっと日本語で話して筋肉痛になったり、顎がはずれることがありますが ^^;)、日本語の音になるとフォームというか、口や舌が勝手に発声のために動くことって凄いなあ、と改めて思ったりするのでした。

さて。昨日予告したとおり、今日は英語の[r]の発音について。わざわざ、英語の[r]というのは、wikipediaの説明によると、国際音声記号で[r]と書くと歯茎ふるえ音という英語にはない音になるから。国際音声記号では、英語の"r"に対応する音は歯茎接近音といい、[ɹ]と表記するそうです。

もっと細かく書くと、wikipediaでは、"red"の国際発音記号が[ɹʷɛd]となっているので、"r"に対応する音は[ɹʷ]と書いたほうが正確なのかもしれませんが、ここでは単に、[r]とします

わたしは長い間、この[r]は巻き舌だ!と思って、がんばって舌を丸めようとしては、英語を話すのって疲れるなあ、英語圏の人ってすごいなあ、と思ってきたのですが、ここ数日はじめて、「舌を巻かなくても[r]は発音できる!」ということを知って感動しています。と、同時に、他の発見もありました。

松香洋子さんの本では、[r]の発音はこう説明されています。
 rの音を正しく出すには準備段階が大切です。まず、口を十分にすぼめてwを言う態勢をととのえ、一方では舌の先をまるめて、しかも上にはつけずという位置にもっていきます。それから一気に「r」と言います。英語圏の赤ちゃんは長い間rをwで間に合わせるのですから、それが第一段階です。(p.98, 『アメリカの子供が「英語を覚える」101の法則』)
舌の問題はさておき、口を十分にすぼめるのが大事なんですね。英語圏の赤ちゃんの話も興味深いです。

『英語耳』の[r]の解説はものすごく長くて細かいので、ここでは見出しだけ紹介することにします。舌に注目すると、[r]の発音方法は2種類あるそう。舌先を上に巻いて発音する方法舌の奥の部分を、のどの奥のほうに引いて発音する方法です。

実際にやってみると、口をすぼめた後は、舌を巻いても、巻かずに奥に引いても、同じような音が出ることにびっくり。そして何より、この2番目の方法は疲れません。

そして、BBC Learning English、Pronunciation Tipsの/r/の解説動画を見て観ると、"my lips come out and I pull my tongue back"と言って、口をすぼめ気味にしてつきだし、舌を後ろに引いてるよ、とジェスチャーつきで説明。これをはじめ見た時は、舌の先の部分を奥にまるめることを、"pull my tongue"って言ってるのかしら、と思っていましたが、もしかすると、舌の奥(つまり舌全体)のことなのかも。


関連リンク
[英語発音入門]
甲南大学の英語発音解説サイト。日本語での解説が充実してます。また動画で顔正面の口の動きが、イラストで舌の位置がわかるようになっています。イギリス英語、アメリカ英語の両方に対応。

関連記事
iOSアプリ、英語耳ゲー an iOS app for discriminating [r] and [l]
一文字子音のフォニックスルール phonics rules for single consonants

2013年7月11日木曜日

iOSアプリ、英語耳ゲー an iOS app for discriminating [r] and [l]

一文字子音のうち、発音も聴き分けも難しいのは、[r]と[l]の音。昔からがんばって、[r]は巻き舌で発音してきたのですが、[l]と区別しようと思いすぎるせいか、"l"をみても[r]を発音とか、"r"をみたら[l]を発音なんてことまで起こって混乱気味。

松香洋子さんは、この二つの音について次のように書いていました。
 日本人はlとrの区別ができないことで有名ですが、それは日本語の「らりるれろ」が舌の位置からいうとlとrの中間にあるからです。そこで、日本人は、どうしても中間のもので間に合わせてしまうのです。(p.97,『アメリカの子供が「英語を覚える」101の法則』』)
最近英語の発音を再確認するようになると同時に、日本語の発音を「再発見」することが多いのですが、そういえば「らりるれろ」を発音するときって、口の天井の真ん中へんを舌でタップというか軽く押す感じ。[l]はそれよりも舌が前に出る感じ、[r]はそれよりも舌が奥まる感じだから、[r]も[l]も「らりるれろ」の仲間に聞こえるのでしょうか。

英語耳』の発音バイエルでは[r]には特別扱いされていて、従来(?)の巻き舌とは違う、ものすごく詳細な解説がしてあります。そのことについては、次に紹介したいと思いますが、今回は[r]と[l]の聞き分けを試すシンプルながら充実したアプリを見つけたので紹介したいと思います。
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この、英語耳ゲー、は"pray"と"play"、"wrong"と"long"など、[r]と[l]の音以外は同じ、という単語ペアのうちどちらが発音されたのか、をひたすら答えていくゲームです。しかも、発音しているのは一人ではなくて、10人。

開発者さんによると、発音しているのは、東京都内の公園で出会った米国・英国・豪州のネイティブスピーカーの方々だそう。収録風景を想像すると、昔、英語圏の被験者さんを求めて大学構内を探し歩いた自分と重なってかなり微笑ましいです。

ちなみに同じ開発者さんのアプリには、[v]と[b]を区別するものもあります。結構発音練習したつもりだったけど、やっぱり聴き分けるのは難しー!!
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関連記事
一文字子音のフォニックスルール phonics rules for single consonants

2013年7月10日水曜日

フォニックス学習iOSアプリ、Simplex Spelling Phonics 1 Simplex Spelling Phonics, an iOS app for learning phonics

最近わたしが興味をもって身につけようと思ってるフォニックス。webで探しても日本語ではあまり情報がでてきませんが、"phonics"で調べてみると、例えばGoogleトレンドの結果を見る限り、相当注目されている言葉というか、調べている人が少なくないことがわかります。




ちなみに、"phonics"の「人気度」を世界的にみると、イギリス、アメリカなど、英語を公用語にしている国での関心が高いようです。英語の場合、言語を話したり聴いたり出来るようになってから、読み書きができるようになるまで、3ヶ月から3〜4年と日本語に比べて長い時間がかかることが関係しているのかもしれません。また、ディスレクシア(dyslexia,読むことの障害)の子供たちの割合も少なくなく、男児の約10%にものぼるといくつかの心理学論文で読んだことがあります。



そんな状況も関係してか、"phonics"学習アプリはものすごおくたくさんあって目移りしていたところ、一番上で紹介したGoogleトレンド関連ニュースで紹介されていたiOSアプリシリーズ、"Simplex Spelling phonics"がありました。教育関連のおすすめアプリとして数々の賞を受賞しているようです。 で、ダウンロードして実際に使ってみたところ、まずサクサクした操作感が素晴らしいアプリでした。単語学習アプリなどと同じく文字入力をすることになるのですが、キーボードの配置といい、操作音といい、たのしくできてます。正解すると、いちいち褒められるのも素敵です。笑

詳しくは上の動画をどうぞ。

以前紹介したフォニックス学習アプリに比べると、問題となる単語数が圧倒的に多いこと、音声がアメリカ英語、イギリス英語、カナダ英語の3つから選べることが特徴です。フォニクスルールは短母音と母音に関するものが中心。単語の手がかりは絵ではなく、単語の発音と、その単語が含まれるセンテンスです。また、解答する単語の音をフォニックス的に分解したものをヒントとして、綴りと音の対応を何度でも確認できます。

ちなみに、問題となる単語(470の高頻度語)とフォニックスルール一覧はアプリ内でも確認できますが、webでも公開されていますので興味のある方はこちらをどうぞ。

このアプリは英語圏の子供のためにつくられているので、基本的インストラクションも設問もフォニックスルールの説明も全て文字を読むのではなく、「聴いて」確認することになります。わたしはこのアプリではじめて、聴いた音とフォニックスルールの知識で知らない単語を綴る、という経験を何度かしました。


わたしはまだ使ってませんが、このアプリには第2シリーズもあります。収録単語は650の高頻度語です。使用されているフォニックスルールと単語の詳細についてはこちらのページをどうぞ。
もっとフォニックス!という方には、さらに続くアプリもあります。収録単語は750の高頻度語。詳細はこちらをどうぞ。


上の3つは有料アプリですが、すこしだけ試してみたい方のために、無料のLite版もあります。
さらに。同シリーズにはフォニックスルールにあてはまらない高頻度単語、250をあつめたアプリもあります。
アプリとしてはなかなかいいお値段ですが、英語学習中の日本人にとっては、これらのアプリを使うことでフォニックスルールと一緒に高頻度語の音がしっかり記憶できるのがメリットかなあと思います(一緒に発音してみればなおよし)。このアプリを使ってる間はほんと、眼の前に英会話の先生がいるような感じですっかり頭が英語モード。よくもわるくも、単語の綴りはわかっても意味がわからないことが時折あります。例えば、"mane"(馬などのたてがみ)という単語、このアプリではじめて知りました。

参考書籍


関連リンク
PyxWise Software Inc.
Simplex Spellingシリーズの開発元のサイトです。

関連記事
フォニックスを学習できるiOSアプリ iOS apps with which you can learn phonics
フォニックス phonics
短母音のフォニックスルール phonics rules for short vowels
一文字子音のフォニックスルール phonics rules for single consonants

2013年7月8日月曜日

一文字子音のフォニックスルール phonics rules for single consonants

a fountain
今日は暑かったですね!あっという間に夏バテしそうな気がしたので、手作りハチミツレモンでしっかりビタミンCをとって、午後はおとなしく昼寝しました。だいぶ身体と頭がシャキっとしたような。

で、少しでも涼を感じていただければ、と、昔、フランスのリヨンで撮った噴水の写真を載せてみました。すごく大きな噴水、というか水がたまってる部分はプールのように大きくて、子供が十分水遊びできる大きさでした。何かのパフォーマンスの時に、ここを泳いで追いかけっこしあったパフォーマーたちがいたような記憶が…。

今覚えばこういう大きなプール部分がある噴水って、見た目の涼しさだけでなく、広場全体の温度を冷やしてくれる、そんな効果もありそう。

水あそび
そうそう、ここではお散歩中のワンちゃんも涼んでました :)

さて。今日は一文字子音のフォニックスルールを紹介します。まず、以前紹介した6つの子音のフォニックスルール表に発音記号を追下すると以下のようになります。

番号 文字 キーワード 発音記号 練習単語
1
Pppig
[p]
pet pen piano
2
Bbbear
[b]
bus bed banana
3
Tttiger
[t]
television table ten
4
Dddog
[d]
door doctor dog
5
Kkking
[k]
key king kick
6
Gggoat
[g]
girl gate guitar

そしてさらに今回は、もう17の子音のフォニックスルールを、同様の表にして紹介します。

番号 文字 キーワード 発音記号 練習単語
12
Mmmonkey
[m]
mop map mug
13
Nnnest
[n]
net nut nap
14
Fffish
[f]
fat fan fig
15
Vvviolin
[v]
van vet VIP
16
Ssstar
[s]
sun sit sad
17
Zzzebra
[z]
zip zig-zag Zen
18
Cccow
[k]
cat cap cup
19
Cccity
[s]
city rice ice
20
Gggiant
[g]
gem gym page
21
Lllion
[l]
log leg lips
22
Rrrabbit
[r]
rug run red
23
Qqqueen
[k]
queen quick request
24
Xxfox
[ks]
fox box six
25
Hhhat
[h]
hat hen ham
26
Wwwitch
[w]
well wig wet
27
Jjjet
[ʤ]
jam jug jet
28
Yyyard
[j]
yum! yes yen

基本的に文字一つに一つの音が対応していますが、ちょっとややこしいのが、"c"には[k]と[s]の二つの場合があること。また逆に、[k]の音は、"k"、"c"、"q"の3つの場合があります("x"の[ks]もいれれば4つ)。

これについてもさらにフォニックスルールがあって、"c"のあとが、"e"、"i"、"y"なら[s]の音("cent"、"city"、"cycle"など)。一方、"a"、"o"、"u"、あるいは子音字が続く場合と、語尾の"c"は[k]と発音します("cat"、"cup"、"class"、"music")。

また、"q"は英語ではかならず次に"u"が来るそうです。というわけで、"qu"の音は[kw]と覚えてもいいかもしれません。

さらに"x"は、"example"のように、単語の初めの方にくると、[ks]ではなく[gz]と発音されます。が、こうした場合は少数だそうです。


参考書籍

関連記事
英語の6つの子音 6 consonants in English
フォニックス phonics

2013年7月7日日曜日

保留コーヒー、支える珈琲、カフェ・ソスペーゾ? suspended coffee

今週の6 Minute English(BBC Learning English)の話題はナポリからヨーロッパ各地へ、そして世界へと広がりつつあるムーブメント、"Suspended coffee"について。

これは、カフェでコーヒーを注文する際に、自分だけのためでなく、「他の人」の分も注文してお金を払う、というもので、イタリアのナポリに古くからある慣習だそう。ちなみに、イタリア語では、caffè sospeso。

で、6 Minute Englishで、この「他の人」というのは具体的には誰か、いったい誰のためにコーヒーを注文したまま保留に(suspend)しておくのか、というのが詳しく述べられていました。

で、番組でインタビューを受けているカフェの女性の答えは、
  1. homeless
  2. hard on their luck
  3. refugee
の3通り。あえて日本語に訳すなら順に、ホームレス、運の悪い人、難民、になるかと思います。

続いて、BBC Newsで4月に配信された次の動画をみてみると、"Suspended coffee"を導入しているイギリスのお店と利用者の声が紹介されています。



正直、言ってることが全部聴き取れたわけではないのですが、"suspended coffee"を注文する人と受け取る人の様子は、「さりげなく」ごちそうする人とごちそうされる人、という感じ。特に"suspended coffee"を定期的に買ってる眼鏡の男性の感じや発言は、カフェというコミュニティと場所、その利用者さんたちを仲間として大事にしてる感が伝わってきていいなあ、と思いました。

さて。日本にはこれやってるところあるのかしら?そもそも、"suspended coffee"はなんて訳すんだろう、と調べていたら、訳語として「保留コーヒー」という言葉がたくさん出て来て、はじめはちょっと残念な気分。じゃあ、別の翻訳案があるかというと思い浮かばないのですが。

お店とお客の信頼関係に基づくという意味では「ツケ」に似てますが、金銭的負担はお客側の善意というところが違います。一種の「寄付」だけど、BBCの動画の男性はローカルや見知った人を強調してた感があったので、「おごる」とか「ごちそうする」に近いのかも。ただし、さりげなく、です。

そもそもナポリ発だし、ここはイタリア語のカタカナ読み、「カフェ・ソスペーゾ」でいいんじゃない?と、BIG ISSUE ONLINEのカフェ運営者注目のアイデア:「カフェ・ソスペーゾ(保留コーヒー)」を読みながら思いました。この記事では、BIG ISSUEの記事の引用がなかなか素敵だったので、それをさらに引用すると、
その日に何かよいことがあった人は自分のコーヒーだけでなく、もう1杯分コーヒー代を払い、バリスタに「ソスペーゾ!(保留で)」と伝える。それを記録に残しておき、ホームレスまたはお金に困った人が訪れた際には、彼らにコーヒーを無料で提供するという仕組みだ。
日本のカフェでもいっそのこと、カタカナで、「ソスペーゾ!」と言ったら、「エスプレッソ」や「カプチーノ」とも音が(ちょっとだけ)似てるし、さりげなさがあっていいかも。いかがでしょう?

で、日本の導入例はあるのかな、と、日本語の記事を探していたところ、テレビ東京に、
南欧危機で「ツケ払い」復活 コーヒーで支えあいも
という動画がありました。ここでは、「保留コーヒー」だけでなくイタリアでの「ピザのツケ払い」も紹介されています。

またこのテレビ東京の動画には、BBCで登場した「保留コーヒー」利用者のふたりも登場。特に印象的だったのは、「保留コーヒー」を受け取ってる男性がこのカフェのお店の前で露天商をしていること。もしかして、ニュースに取り上げられたことで、お店の注目度も変わってきたのかな?「保留コーヒー」システムは、お店に新しい人をよびこむ効果もありそうな気がします。

一方、greenz.jpでも"suspended coffee"関連の記事が紹介されています。
ホームレスにコーヒーを“予約”する寄付イニシアチブ「Suspended Coffee」に、スターバックスが加入!
この記事では、「保留コーヒー」という言葉は使われず、"suspended coffee"という英単語をそのまま使いつつ、ホームレスにコーヒーを“予約”する寄付イニシアチブと説明。

「予約」というのもちょっと意味合いが違う気が。あと、コーヒーの受取り手をホームレスに限定しちゃってるのも気になるのですが、この英スターバックスの場合は、oasisという特定の慈善団体と提携してるからこういう書き方になったのかも。英スタバのやり方は、場所を共有するというより、コーヒー募金という感じがします。よくもわるくもローカル色が薄まっているといいますか。

「保留コーヒー」は(慣れて来ると、だんだんこの訳語でいい気がしてきました ^ ^;)日経ビジネスオンラインでも紹介されています。
イタリア発、コーヒーとピザで善意の連鎖 英国のスタバも始めた「保留」ムーブメントとは?
イタリア、イギリスの例だけでなく、この記事では、日本の導入例が紹介されていました。北海道夕張市のルーチェ・ソラーレという喫茶店では、「保留コーヒー」を独自に「支える珈琲」と名付けて取り入れているそう。同時に「支えるおにぎり」「支えるピザ」もあるようですが、この活動を支援する人がいることはわかっても、受取り手がいるかについてはよくわかりませんでした。

日本だと地震に津波に洪水大雨など、自然災害があったときに寄付を行い、被災すれば寄付を受け取るというのが日常的な気がしますが、「保留コーヒー」の仕組みがそういった寄付と大きく異なるのは、カフェとコーヒーを通じての「寄付」になるため、コーヒーを飲む人だけでなく、カフェをも応援できるところ。

そうやって、応援したり助けてもらったりなカフェがある生活、ちょっと憧れます。

関連リンク
Suspended Coffees

関連記事
BBCで英語学習 learning English with BBC programs

2013年7月6日土曜日

短母音のフォニックスルール phonics rules for short vowels

わたしにとって、なかなか耳では区別がつきにくかった、[æ]と[ʌ]の音、発音バイエルのおかげか、口の動きのイメージが記憶に刻まれつつあります。

実際の聴き分けについては、BBC Learning EnglishのPronunciation Tipsにあった、Similar sounds exercises:Unit4、[e]と[æ]と[ʌ]を区別するエクササイズを何度かこなすうちに、音の記憶も生まれつつあるような。

といっても、このエクササイズのように、同一人物が[æ]と[ʌ]の音のように、似た音を発音している場合は何度か聴くと区別できるようになるのですが、いろんな人が発音する場合は個人差もあって難しいなあと思います。発音バイエルを続けてたら、もっと違いがわかるようになるのかな?

さて。英語で、"a"、"e"、"i"、"o"、"u"の文字が出て来たとき、それぞれ、[æ]、[e]、[i]、[ɑ]、[ʌ]、と短母音として発音するのはどんな場合かというと、主に次の2つがあります(参考『英語耳 』P.179)。

  1. 単語の終わりが「母音字+子音字」 例:hat,pet,win,hop,cut
  2. 「母音字+重子音字」 例:happy,letter,dinner,bobby,summer

松香洋子さんの『アメリカの子供が「英語を覚える」101の法則 』ではなぜか1番目のルールは明確に書いてなく、2番目のルールのみが本の後半部分に出てきます。子供に教えることを考慮して、おおまかなルールを前面に前面に出さず、個別のルールの体感に重きを置いてるのかも。

松香さんの本にしたがうなら、"a"をみたらまず、"apple"の"a"の音、という感じで覚えていきます。繰り返しますが、[æ]という記号は使いません。

が、もちろん、英語の"a"にはいろんな音があって、
例えば、aという文字には七通りの発音があるとされます。aの七変化です。ちょっと数えてみただけでも hat, cake, law, orange, about, car, care の七つの単語に出てくるaの発音は全部違います。(p.61 『アメリカの子供が「英語を覚える」101の法則』)
この七通りの発音、松香さんの本をはじめて読んだ時はわたしの脳内の音の記憶がぼやっとしていたのが、フォニックスをざっと学んだ今では音と発音記号と口の動かし方の記憶が浮かぶようになりました。

ところで繰り返しになりますが、"o"を短母音として発音するときの音は、アメリカ英語では、[ɑ]、イギリス英語では[ɒ]あるいは[ɔ]。しばらくは[ɑ]の練習をしますが、口を大きく開けるのが苦手なわたしは、イギリス英語の音にしたほうがいいのかも、と迷いはじめてます。




関連リンク
円唇後舌広母音 - Wikipedia
[ɒ]の発音を音で確認できます。

円唇後舌半広母音 - Wikipedia
同じく、[ɔ]の音について。

[ɒ] - Pronunciation Tips - BBC Learning English
[ɒ]の発音についての動画です。


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[ɑ] の発音 pronunciation of [ɑ]
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